研究課題/領域番号 |
23K15389
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
増永 陽平 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (20907795)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 思春期早発症 / KISS1R / キスペプチン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
キスペプチン受容体(KISS1R)の機能亢進変異は中枢性思春期早発症を招くことが報告されているが、その発症機序の詳細は未解明である。本研究では、下記研究項目を実施することで、KISS1R機能亢進による中枢性思春期早発症の発症機序解明に挑む。 1) 中枢性思春期早発症患者において同定されたKISS1Rバリアントの機能解析:KISS1Rバリアントを発現する細胞株や患者由来リンパ芽球を用い、KISS1R下流シグナルや網羅的遺伝子発現パターンを解析することで発症機序を解明する。 2) 中枢性思春期早発症患者の遺伝学的解析:家族性中枢性思春期早発症患者において全エクソーム解析を実施し、原因遺伝子を同定する。
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研究実績の概要 |
[背景] 中枢性思春期早発症は、視床下部におけるゴナドトロピン放出ホルモン(LHRH)分泌が早期に促進されることで、歴年齢に比して二次性徴が早期に出現する疾患であり、下垂体からのゴナドトロピン(LH/FSH)分泌、性腺からの性ホルモン分泌が順次促進されることで発症する。キスペプチン(KISS1)は、思春期の開始に重要な役割を担っており、LHRHニューロン上のキスペプチン受容体(KISS1R)を介してLHRH分泌を促進する。KISS1R 機能亢進変異は、中枢性思春期早発症の原因として報告されているが、これまでに報告のあるKISS1R 機能亢進変異は、p.(Arg386Pro)のみであり、LHRH分泌亢進機序の詳細は未解明である。 [中枢性思春期早発症家系におけるKISS1R バリアントの同定] われわれは、家族性中枢性思春期早発症患者において、新規KISS1Rバリアント(NM_032551.5:c.1079A>G:p.(His360Arg)を同定した。このバリアントは、既報の機能亢進型バリアント同様、細胞内ドメイン内のミスセンス変異であり 、公共データベースにおいて極めて稀な頻度のもの、in silico 解析で遺伝子機能への影響が小さいと予測されるものである 。なお、KISS1R 機能が大きく損なわれると中枢性性腺機能低下症を招くため、遺伝子機能への影響が小さいと予測されることは機能亢進変異に一致する。 [同定されたKISS1R バリアントの機能解析] GnRHを発現するGN11細胞において、KISS1Rのwild typeまたはvariantを発現させ、KISS1存在下の下流シグナルやGnRH産生能を評価する予定であり、現在準備を進めている。 [思春期早発症の新規原因遺伝子の探索] 家族性中枢性思春期早発症家系において遺伝学的解析を行い、原因遺伝子の検索を行なっているが、これまでに解析した家系からは、新規原因遺伝子の候補は同定できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も思春期早発症患者において原因遺伝子検索を行い、新規原因遺伝子の探索を継続する。 中枢性思春期早発症家系において同定されたKISS1R バリアントの機能解析も継続して進める。
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