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脂肪組織におけるLTA4Hのインスリン感受性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15391
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

細川 友誠  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (40898350)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード脂肪組織 / 代謝物 / 肥満 / インスリン感受性
研究開始時の研究の概要

過剰エネルギー摂取下においても、脂肪組織が機能を保持しながら増大することで全身の代謝異常の発症が抑制される「脂肪組織の健康的増大」という現象が知られている。申請者は脂肪細胞特異的にLTA4Hを強制発現したマウスを作成し、高脂肪食飼育下で「脂肪組織の健康的増大」が生じることを確認した。LTA4HはLTB4の産生酵素として知られているが、このマウスでは脂肪組織のLTB4濃度の上昇を認めなかった。すなわち、「脂肪組織の健康的増大」に、LTA4Hの新規作用が関与する可能性が示唆される。本研究では、マウスと肥満のヒトの検体を用いて、「LTA4Hが脂肪組織を健康的に増大させる機序」の解明を目指す。

研究実績の概要

脂肪細胞特異的LTA4H過剰発現マウスの血漿および脂肪組織においてLTB4濃度に変化が見られなかった。そこで、LTA4Hのもう1つの標的分子であるトリペプチドProline-Glycine-Proline (PGP)の産生量に変化がないかどうか、評価を行うこととした。PGPおよびその代謝産物であるジペプチドGlycine-Proline (GP)について、国内で濃度測定が可能な施設を見つけられなかったため、本学の質量分析総合センターにおいて測定系の樹立を依頼し、本年度の途中に確立に至った。本測定系を用いて、脂肪細胞特異的LTA4H過剰発現マウスのeWATのPGP濃度、GP濃度、GP/PGP比(LTA4Hのアミノペプチダーゼ活性の簡易的指標)を評価した。すると通常食飼育下で脂肪細胞特異的LTA4H過剰発現マウスのGP濃度は対照群と比して有意に増加した。また高度肥満症のヒトの内臓脂肪組織においても、脂肪組織中Lta4H遺伝子発現量は、GP/PGP比と有意な相関を認めた。これらのことから、脂肪組織でのLTA4H産生量とアミノペプチダーゼ活性能が相関する可能性がマウス・ヒトどちらでも示された。これまでの研究で、同マウスが高脂肪食飼育下で、脂肪組織への免疫細胞浸潤の程度に変化を生じること、およびインスリン感受性などの代謝表現型が改善する事を見出しており、PGPやGPが、直接的にこれらの表現型に関わるのかを様々な実験系で現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脂肪細胞におけるLTA4Hの過剰発現に伴う代謝改善機構の鍵分子となりうる候補の1つを抽出することに成功した。今後その評価を行うことで、目標とする「脂肪組織の健康的増大」の機序解明に近づくことが期待でき、計画は概ね予定通りに進行しているといえる。

今後の研究の推進方策

本研究は現時点で、「LTA4H の産生量の増加はLTB4産生を促進しない一方でアミノペプチダーゼ活性を増強させる」可能性を見出しており、PGPやGPのみならず、LTA4Hのアミノペプチダーゼ活性の標的分子になりうる低分子量のペプチドの探索も必要になると考える。上記のようにPGP・GPの代謝への影響も探索しつつ、網羅的なペプチド探索にも注力することが本課題の更なる進展につながるといえ、ジペプチドの網羅的測定など、様々な方法の実施を検討している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 白色脂肪組織のインスリン抵抗性によるNAFLD/NASHの発症・進展機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      細川 友誠 , 細岡 哲也 , 小川 渉
    • 学会等名
      第44回肥満学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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