研究課題/領域番号 |
23K15397
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
田辺 隼人 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30793210)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 糖尿病クラスター分類 / 糖尿病性腎臓病 / 腎臓周囲脂肪 / クラスター分類 / クラスター解析 / インスリン抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
クラスター解析によって、アウトカムが異なる5つの糖尿病サブタイプが明らかになった。重症インスリン抵抗性糖尿病(SIRD)は肥満を特徴とし糖尿病性腎臓病(DKD)の発症リスクが顕著に高いサブタイプだが、その機序は不明である。一方、腎周囲脂肪(PRF)は異所性脂肪の一種であり、肥満で増加し、その意義が注目されている。本研究ではコホート研究を実施し、CT画像からPRFを立体的に測定し、クラスター分類とDKD、PRFの関連を明らかにする。PRFがDKD予防のための治療標的であることが明らかとなれば、腎不全抑制を目指した新たな治療戦略の基盤を確立できる。
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研究実績の概要 |
2018年1月から登録が開始されている福島糖尿病内分泌代謝(DEM)コホート研究に署名同意をもって登録された糖尿病患者を対象としている。令和5年度の時点で登録者数は916例であり、目標登録数である1,000例まで着実に登録が進行している。 この福島DEMコホートに登録された対象者のうち、過去に腹部CTを受けた既往のある者の既存CT画像データをCD媒体で約270名抽出し、CDデータをオフラインで専用ソフトウェアに転送した。その後に、腎臓周囲脂肪をソフトウェアを用いて既報の手法(Foster ME, et al. Hypertens 2011、Maimaituxun G, et al. Front Endocrinol 2020)で計算した。 CT撮影日をベースラインと定義し、ベースラインに最も近い日の既存の診療情報(病名、既往歴、家族歴、生活歴、薬剤歴、血液・尿検査)を電子診療録で調査して、データベースへ入力を開始。約270名について、調査が完了した。 今後は、① GAD抗体、② 糖尿病発症年齢、③ BMI、④ HbA1c、⑤ HOMA2-B、⑥ HOMA2-IR の6つの指標から、k-means法でデータ駆動型クラスター分析を実施し、対象となる糖尿病患者を既報の5つのサブタイプ(重症自己免疫型糖尿病、重症インスリン欠乏型糖尿病、重症インスリン抵抗性糖尿病(SIRD)、軽症肥満関連糖尿病、軽症加齢関連糖尿病)へ分類し、それぞれの腎臓周囲脂肪量の比較や、腎機能や蛋白尿などのアウトカム解析を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」、「研究実施計画」に沿って、研究を進めている。研究登録者はわずかに目標症例数に達成できなかったが、概ね当初の計画通りに研究は進行できている。 日常診療で得られる検査データの収集やデータベースへの入力は講座スタッフとともに順調に進められている。さらに、腎周囲脂肪測定や統計解析に必要なソフトウェア購入が完了し、実際に測定作業も概ね終了できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ベースラインにおける① GAD抗体、② 糖尿病発症年齢、③ BMI、④ HbA1c、⑤ HOMA2-B、⑥ HOMA2-IR の6つの指標から、k-means法でデータ駆動型クラスター分析を実施し、解析対象となる糖尿病患者を既報の5つのサブタイプ(重症自己免疫型糖尿病、重症インスリン欠乏型糖尿病、重症インスリン抵抗性糖尿病(SIRD)、軽症肥満関連糖尿病、軽症加齢関連糖尿病)へ分類する作業を進めることを計画している。 分類ができれば、サブタイプ間の腎臓周囲脂肪の分布を一元配置分散分析で比較したり、腎機能や蛋白尿進展を目的変数とした生存率分析を行い、腎臓周囲脂肪やクラスターにおける慢性腎臓病の役割について解析を行っていく計画である。
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