研究課題/領域番号 |
23K15410
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂根 依利子 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70781342)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 甲状腺ホルモン脱ヨード酵素 / 甲状腺機能亢進症 / 成長ホルモン / 甲状腺ホルモン / 脱ヨード酵素 / グルココルチコイド |
研究開始時の研究の概要 |
脱ヨード酵素は、末梢組織において甲状腺ホルモン作用を調節する分子として認知されているが、我々の先行研究において甲状腺における分泌調節にも寄与することが示唆された。本研究では「甲状腺における」脱ヨード酵素の意義解明を目的とする。D2制御作用を既に見出しているリトドリンの投与、独自に開発した甲状腺機能亢進症マウスや成長ホルモン過剰発現マウスなど、多種多様なモデルを検証し、普遍的な現象であることを示す。さらに甲状腺特異的脱ヨード酵素ノックアウトマウスを作成・解析することで、生理的意義の解明に加え、各種モデル作成時に用いた処置を施した際の変化の観察を通じて、病態における位置付けをも明らかにする。
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研究実績の概要 |
我々は独自のモデルとして肝臓特異的に脱ヨード酵素を過剰発現するマウスを開発し、このフェノタイプの解析から、末梢組織における脱ヨード酵素の甲状腺機能への影響として、D1はrT3のクリアランスと弱いながらT3への変換を行い、D2は細胞内のみならず体循環へもT3を供給し、D3はrT3を産生しながら甲状腺機能を低下させる、ことを明らかとしてきた。本研究では、このように末梢組織における甲状腺ホルモン作用調節に重要とされてきた脱ヨード酵素について、甲状腺ホルモン分泌およびその調節における生理的意義を解明し、各種疾患や病態における寄与も検証することを目的とする。脱ヨード酵素の研究について、末梢組織および下垂体、中枢神経系における意義解明は古くから行われてきたが、意外なことに甲状腺を対象とした解析は知る限りない。各種病態への「甲状腺における」脱ヨード酵素の影響を明らかにするべく、脱ヨード酵素が甲状腺において変化する処置をマウスに施し、甲状腺機能を始めとしたフェノタイプの解析を行うこととした。 我々は、甲状腺由来細胞株において成長ホルモンがD2発現を増加させることを報告しており、in vivoにおけるモデルとして、ハイドロダイナミック法を用いた成長ホルモン過剰発現マウスの作成に着手した。成長ホルモン補充療法においても見られる血中FT3/FT4比上昇を認めたが、意外なことに甲状腺ではD2でなくD3のmRNAの増加が見られた。再現性の確認を進めている。 また、我々のTSH過剰発現による甲状腺機能亢進症モデルマウスでは、甲状腺におけるD2 mRNA、D3 mRNAの増加が見られている。この意義を検証するため、各種抗甲状薬、D2増加作用のあるアドレナリン受容体作動薬であるリトドリン、β遮断薬、D2阻害作用のあるセフロキシムなどの投与を行うべく、条件検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、予定している実験及び必要な予備検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
成長ホルモンによる変化として意外かつ興味深い結果が出ており、甲状腺における成長ホルモン作用低下モデルも検討したいと考えている。
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