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骨伸長の調節機構解明による新規低身長治療法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K15411
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関京都大学

研究代表者

植田 洋平  京都大学, 医学研究科, 助教 (30848213)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード成長因子 / CNP
研究開始時の研究の概要

低身長症に対してはGH製剤が唯一の治療薬であるが、効果が十分でない病態が多く存在する。近年CNPが新規治療薬として注目されているが、十分な治療効果は得られていない。GH、CNPはともに骨伸長作用を持ち、異なる機序で働くことが示唆されているが、両者の特徴や相互作用は明らかではなく、併用に関する研究も行われていない。本研究では、GH、CNPの生体内での時間的空間的な機能、相互作用の解析のため、両者の欠損ラットの表現型比較や投与実験により両者の併用効果について検討を行う。本研究は、低身長症に対するGHとCNPの併用療法の基礎となり、表現型や年齢に応じた製剤選択および治療法開発につながるものである。

研究実績の概要

野生型ラット、GH欠損ラット、CNP欠損ラットおよび両者の欠損ラットの成長曲線を比較し、GHとCNPでは成長段階での作用時期が決定的に異なることを見出した。生後すぐのGH欠損ラットは野生型ラットと同等の表現型であるが、加齢につれGH欠損ラットは成長障害を示すようになる。逆に、CNP欠損ラットは生後すぐの時点で野生型ラットと比較して明らかな成長障害を認め、その後も成長障害を持続して認める。これは生後すぐの時点ではGHよりもCNPの方がより成長に及ぼす影響が大きいことを示す所見であり、より若年ではCNP製剤が成長障害に有効である可能性を示すものである。またGHとCNP両者の欠損ラットは両者の表現型を併せ持つ表現型となり、GHとCNPは同様の経路により成長を促進しているのではなく、それぞれ独立した成長促進経路を有していることが示唆された。これはGH製剤とCNP製剤併用の有効性を支持するものである。さらにGHとCNPの作用の違いについて解析するため、GH欠損ラットとCNP欠損ラットで成長板の形態を比較したが明らかな差は認めなかった。両者の違いを明らかにするには細胞内シグナルなど詳細な解析が必要と考えている。
またGHとCNPの相互作用の解析の実験においては、GH欠損ラット、CNP欠損ラットにおいてIGF-1、CNPの血中濃度を測定し、GH欠損ラットではCNPの血中濃度が低下することを見出した。CNP欠損ラットではIGF-1血中濃度の明らかな変化は見られなかった。このことはCNPの産生、分泌および代謝にCNPが影響していることを示唆するものの、GH欠損ラットでは野生型と比較して軟骨などのCNP産生臓器の縮小がみられ、臓器自体の減少によるものである可能性も考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

野生型ラット、GH欠損ラット、CNP欠損ラットおよび両者の欠損ラットの表現型解析のため、成長曲線の比較と組織学的な成長板形態の比較を行った。免疫染色等詳細な組織学的評価は実施途中である。またGHとCNPの相互作用の解析のため、GH欠損ラット、CNP欠損ラットにおいてIGF-1、CNPの血中濃度を測定した。現在のところおおむね予定通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後はGHとCNPの作用の違いや両者の相互作用をさらに追究すべく、成長板組織での免疫染色、組織中のCNP発現量の測定、μCTを用いた骨微細構造の評価、また成長板の分化段階を模倣する細胞株ATDC5を用いた細胞内シグナルの解析を予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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