研究課題/領域番号 |
23K15423
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
黒住 旭 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70553808)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | バセドウ病 / 難治性病態 / 末梢血リンパ球フェノタイプ / B細胞 / T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年バセドウ病や橋本病などの自己免疫性甲状腺疾患において、病態規定因子として自己反応性リンパ球が重要な役割を担うことが明らかとなりつつあり、特に薬剤抵抗性のバセドウ病ではヘTh17細胞が高発現し、制御性T細胞が抑制されることが報告されている。今回、新規発症したバセドウ病患者において、薬剤抵抗性および難治性病態の解明を目指して、8カラーフローサイトメーターを用いて、特にリンパ球をはじめとした免疫細胞における細胞表面マーカーに着目し、治療前後における発現状態の変化をみる。 最終的には、バセドウ病の難治症例での自己反応性リンパ球の特徴を把握し、薬剤抵抗性の難治性病態を見出し、臨床的な治療選択に繋げる。
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研究実績の概要 |
本研究ではバセドウ病の難治性病態の解明を目指して、末梢血リンパ球フェノタイプの解析によって特にリンパ球をはじめとした免疫細胞における細胞表面マーカーに着目し、治療前後におけるその発現状態の変化に着目し、最終的にバセドウ病難治症例での自己反応性リンパ球の特徴を見出し、早期に手術やアイソトープ治療等へ移行するべき症例を明らかにし、最適な治療選択に繋げることを最大の目的とする。 治療24ヶ月後における寛解群・非寛解群間での臨床的指標の差としては、TRAbや甲状腺腫大の改善はいずれもRGの方が良好であった。全症例におけるリンパ球サブセットの変化としては、24ヶ月後にactivated Th17, activated Tfh, double negative B, plasmablastなどの割合は有意に減少した。全症例におけるリンパ球サブセットの変化と臨床的指標の変化との相関としては、24ヶ月後にTRAbの低下や上甲状腺動脈の流速低下はdouble negative Bの低下と有意に相関を認めた。24ヶ月後における寛解群と非寛解群間のリンパ球サブセットの差は、非寛解群の方がdouble negative Bが有意に多かった。寛解群・非寛解群間における0-24ヶ月のリンパ球サブセットの変化については、2群間で大きな差は認めなかった。 以上からバセドウ病の難治性病態には抗体産生に関わるB細胞の分化異常が関与している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
治療24ヶ月時点において、バセドウ病難治性病態へのB細胞分化異常の関与がある程度明らかになってきている。一方でベースラインのリンパ球サブセットとバセドウ病寛解の関係についてはまだ検討できておらず今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
今後治療36か月時点での末梢血リンパ球フェノタイプの解析を行い、バセドウ病の難治性病態について検討していく。
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