研究課題/領域番号 |
23K15427
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
文田 貴志 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (60866995)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Hirschsprung病類縁疾患 / NCX遺伝子 / 好酸球 / Hirschsprung病 / 腸管神経 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、腸管好酸球上昇の機序解析と、好酸球欠損/Ncx KOマウスを使用した好酸球集積の生理的意義解明から、腸管神経系と腸管免疫系の相互作用を明らかにすることを目的とする。また、これまでに得られた知見をもとに腸管神経異常を呈するヒト消化管サンプルを用いて、腸管神経異常疾患の腸炎感受性や恒常性維持機構を解明し、免疫学的治療の探索に繋げる。
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研究実績の概要 |
本研究では、腸管好酸球上昇の機序解析と、好酸球欠損/Ncx KOマウスを使用した好酸球集積の生理的意義解明から、腸管神経系と腸管免疫系 の相互作用を明らかにすることを目的とする。また、これまでに得られた知見をもとに腸管神経異常を呈するヒト消化管サンプルを用いて、腸 管神経異常疾患の腸炎感受性や恒常性維持機構を解明し、免疫学的治療の探索に繋げる。 Ncxは腸管神経に発現する転写因子で、そのKOマウスはHirschsprung病類縁疾患の一型である腸管神経形成異常症モデルである。Ncx KOマウス はデキストリン硫酸ナトリウム(DSS) 誘導腸炎の感受性が亢進しているが、自然経過で腸炎を発症しないため、免疫学的な代償機構が働いていると仮説を立て以下の点を明らかにした。 ・回腸粘膜固有層での好酸球割合の有意な増加 ・回腸組織におけるIL5およびIL25遺伝子発現の増加 ・回腸組織における神経ペプチドNeuromedinU(NMU) 発現の有意な上昇及び蛋白の高発現 本研究では上記疾患モデルマウスの解析から得られた知見をもとにIL25、NMUとIL5産生増加機構の解析を行うことを目的とする。また、これまでのマウスで得た知見から腸管神経異常を呈する疾患を有する患者腸管サンプルで解析する予定とする。腸管神経異常疾患群として、Hirschsprung 病、Hirschsprung類縁疾患の検体を用い、コントロール群として鎖肛、消化管閉鎖・狭窄症患者での切除検体を用いる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験に使用する対照マウスの作製と継代が安定せずに実験を十分に進めることができなかった。 また、対象疾患となる消化管サンプルの入手も思うように得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Ncx KO/ΔdblGATAマウスを用いたDSS誘導、放射線照射腸炎モデルの解析を行う。好酸球機能解析のためにNcx KOマウスおよび好酸球の欠損したNcx KO/ΔdblGATAマウスを用いてDSS誘導腸炎モデル、放射線照射腸炎モデルを作製しその病態(生存率、体重、血便・軟便の有無など)評価を行う。放射線照射モデルについては腹部に9.5Gの放射線照射を行う。上記実験と並行して腸管を解剖し、腸管の細胞組成の変化について解析し腸炎の発症を契機にしたIL5やNMU等の更なる変化について遺伝子発現を解析する。 また、これまでに集積したヒト消化管検体を用いて腸管上皮の透過性についてE-cadherinによる蛍光免疫組織染色を行う。また、腸管組織からRNAを抽出しNMU、IL25、IL5等の遺伝子発現解析についてはRT-qPCRを行い、好酸球数については組織標本をもとに解析を行う。
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