研究課題/領域番号 |
23K15444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
橋詰 直樹 久留米大学, 医学部, 助教 (80569434)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 短腸症候群 / 短鎖脂肪酸 / IFALD / 経肛門 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌によって大腸内で産生される短鎖脂肪酸 (Short chain fatty acids: SCFAs)は、結腸上皮細胞および肝へのエネルギー源、 大腸粘膜の増殖刺激作用、血流増加作用、炎症抑制効果等の効果を有することが報告されている。本研究では、SCFAsを直接経肛門的に注腸することで結腸内のSCFAs濃度を上昇させ、①大腸粘膜の増生、②肝臓へのエネルギー源としてIFALDを改善し、③SCFAsにより分泌される消化管ホルモンglucagon-like peptide-1(GLP-1)による肝臓内脂肪代謝の改善から、短腸症候群の合併用を予防する革新的治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、短腸症候群ラットモデルを作成し、SCFAs注腸により①大腸粘膜の絨毛高、陰窩深の増大, ②大腸粘膜から門脈を介した肝臓へのエネルギー供給と肝機能の改善, ③GLP-1分泌による肝臓内脂肪代謝の改善により、IFALDを予防する革新的治療法の開発を目的とする。 短腸症候群におけるSCFAs注腸療法による腸管粘膜に及ぼす効果、エネルギー供給およびGLP-1分泌によるIFALD予防効果の検討は、未だ国内外でも報告されていない点で独自性が高い。また、有効性が示された場合、経肛門的な薬剤注入は医療経済的にも安価であり、経口・経静脈栄養以外の革新的な新規治療法という点で創造性が高い。 Sprague-Dawleyラット250~300gを用い、イソフルラン麻酔下に右頸静脈から中心静脈カテーテルを留置する。小腸大量切除短腸ラットモデルは、先行研究から8週齢のSD ラットの小腸長は約90cmであるため、トライツ靭帯より5cmの肛門側空腸から回腸末端から5cm 口側の回腸間の小腸を切除し、90%短腸モデルとする。完全静脈栄養管理下に10日間飼育する。 また注腸ラットモデルも作成する。注腸水溶液はSCFAs の割合は酢酸60~75%,プロピオン酸15~25%,酪酸10~15% 100nmol/Lに生理食塩水に溶解し、5mlをゾンデにて経肛門的に1日1回、モデル作成後より10日間投与する。両モデルの飼育後、小腸、大腸を採取して下記の評価項目を施行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在実験環境が確立し、モデルの作成を開始している。まだ評価が行えるモデルの予定数に至っておらず、研究を継続する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
90%短腸モデルによる各種モデル作成を行い、注腸モデルの最適なプロトコールを作成し、研究を継続する。腸および肝臓のトランスポーターおよび免疫学的評価により大腸およびIFALDへの影響を評価する。
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