研究課題/領域番号 |
23K15450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
兒島 正人 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教 (80913376)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 血中循環腫瘍細胞 / リキッドバイオプシー / 小児がん / 悪性小児固形腫瘍 / 1細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
がん患者の血液中に存在する、がん細胞 (circulating tumor cell; CTC)を対象とする。CTCは転移や治療抵抗性の元となるがん細胞を多く含んでおり、CTCの遺伝子解析を様々な小児がん患者において行う。さらに採取したCTCを培養し転移モデルの作成に挑戦する。CTCの遺伝子解析から悪性度を規定する新たな分子マーカーを同定できれば、新規の分子標的薬や免疫チェック阻害剤を用いた新たな治療戦略により治療予後を改善できるだけでなく、培養細胞を用いた実験は、小児がん研究において治療抵抗性や悪性度を紐解く新たな発見へとつながる可能性を秘めている。
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研究実績の概要 |
神経芽腫2例の患者より計40個の血中循環腫瘍細胞を採取した。1細胞単位での網羅的遺伝子発現解析を施行した。血中循環腫瘍細胞はいくつかのクラスターに分かれ、細胞増殖、浸潤に関与する遺伝子群の発現が上昇している細胞集団を認めた。これらの細胞集団は腫瘍の遠隔転移や治療抵抗性に関与すると考えられた。 また、1細胞単位での遺伝子変異解析も施行し、神経芽腫の予後不良因子であるMYCN遺伝子の増幅と機能獲得変異、両者を有する細胞を認めた。 肝芽腫細胞株を健常人から採取した血液に一定濃度混入させ、GPC3細胞表面蛋白をターゲットにした血中循環腫瘍細胞の分取が可能かを検討した。また、肝芽腫がインドシアニングリーン(ICG)を取り込む性質に着目し、蛍光顕微鏡下における血中循環腫瘍細胞の分取が可能かを検討した。上記の分取法の有効性を確認するとともに最適条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンスタントに神経芽腫患者より血中循環腫瘍細胞を採取できており、1細胞単位での網羅的遺伝子解析まで完了している。 肝芽腫の血中循環腫瘍細胞採取モデルを作成し、臨床検体の応用が可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床検体から肝芽腫の血中循環腫瘍細胞の採取を試みる。 腎芽腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、胚細胞腫瘍といった他の小児がんの血中循環腫瘍細胞採取モデルも作成し、臨床検体に応用する。
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