研究課題/領域番号 |
23K15460
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
富田 祐介 東海大学, 医学部, 准教授 (50622263)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腎移植 / SARS-CoV-2 ワクチン / 抗体価 / COVID-19 / ワクチンプロトコール / PD1 |
研究開始時の研究の概要 |
腎移植患者と健常者における末梢血中の免疫細胞の違いを調べ、抗体獲得に関連している因子を同定することで、従来のSARS-CoV-2予防ワク チンの接種を見直し、新たな視点でのアプローチを提唱できる独自性のある研究である。本研究を通じて、ワクチン接種前後の体内での免疫反応を理解し、長期的に安全かつ有効にSARS-CoV-2に対する抗体を獲得する方策を確立することで、移植患者の重症化および死亡率の低下に繋がり、社会的にも特色のある研究になると考えられる。
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研究実績の概要 |
健常者は腎移植ドナーおよびボランティアより、透析患者および免疫抑制患者は腎移植前後の患者より全血で8mLずつ採取し、血清および末梢血単核球に分離後、それぞれ-80度のフリーザー下および液体窒素下で保存し、使用した。経時的に採取した血清を用いてSARS-CoV-2抗体の陽性率、抗体価、その持続性を調べた。健常者(HC群)、 透析患者(HD群)、腎移植後の患者(KTx群)において、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(S-RBD)に対するIgG抗体(S-RBD IgG抗体)を測定し、有効性を評価した。 1) HC群と移植後に初めてワクチンを接種したKTx群を比較した。 ワクチンを2回接種後の抗体獲得率は、HC群が100%であったのに対し、KTx群では20%と有意に低値であり、移植後に新規に抗体を獲得することは困難であることを示した。HD群においては、HC群と同様に100%の抗体獲得率であった。一方で、3回以上の接種を行うと、KT群では抗体獲得率は75%へ上昇したものの、依然として25%の患者では抗体形成に至らないままであった。 2) 移植前に複数回のワクチン接種を行った後に腎移植を受けたKTx群のS-RBD IgG抗体の推移を調べた。 HD群の結果から移植前に複数回のワクチン接種を行うことで移植の待機患者は抗体を獲得できることが予想され、全患者で腎移植前に抗体を獲得することができた。移植後の抗体価は緩やかに低下したものの、移植3ヶ月後まではS-RBD IgG抗体を保持できることが確認できた。移植後3か月を目処にワクチンのブースター接種を行うことで有効な抗体価を持続することが可能であると考えられた。以上の結果を国内学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体は当初の予定通りの数を収集でき、保存状態は良好と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は末梢血単核球の解析を進めていく予定である。
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