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メタボリックシンドロームに関連した細胞老化が引き起こす癌転移機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15478
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

付 凌峰  公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 特任研究員 (40973730)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード腫瘍微小環境 / 線維芽細胞線維 / 芽細胞活性化タンパク質(FAP) / 老化 / 転移 / 高血糖 / 線維芽細胞の老化 / 血行性癌転移 / 胃がん
研究開始時の研究の概要

申請者は現在までにC57BL6マウスに1型糖尿病を誘導させ、マウス胃癌細胞を同所移植することで、血行性転移を促進させる系をすでに構築している。 また2型糖尿病マウス(レプチン欠損マウス; ob/obマウス、レプチン受容体欠損マウス ; db/dbマウス)とFAP-tdTomatoマウスの準備も完了しており、今後、マウス胃癌細胞の同所移植による血行性転移メカニズムをさらに詳細に検討していくことが可能である。またin vitroの実験では、FAP-tdTomatoマウスの皮膚からの線維芽細胞株を樹立しており、FAP活性に関する予備実験はすでに完了しており、研究遂行に向けた準備は整っている。

研究実績の概要

本研究の目的は、糖尿病患者における高血糖がどのようにして遠隔臓器の線維芽細胞の老化を誘発し、結果としてがんの転移を促進するかというメカニズムを探究することである。生体レベルでの検証として、糖尿病モデルと血行性がん転移モデルを組み合わせたマウスを使用し、線維芽細胞の表現型と遺伝子発現変化を詳細に分析した。具体的に、RNAシークエンシングとATACシークエンシングの手法を用いて、糖尿病状態における線維芽細胞の遺伝的および分子生物学的特性の変化を検討した。この研究によって得られる成果は、高血糖が遠隔臓器の微小環境にどのような影響を与え、がん転移を促進する可能性があるのかを解明することが期待される。これまでの解析結果から、高血糖が線維芽細胞の活性化を促進する因子を同定しており、この因子が線維芽細胞中での線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の発現と関連があることが明らかになった。また繊維芽細胞のFAP上昇には、高血糖に曝された胃がん細胞由来因子が重要であることも同時に明らかとなった。これらの発見は、糖尿病状態でのがん転移の分子メカニズムを理解する上で重要なステップであると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定であった、糖尿病による遠隔がん転移モデルを確立し、特に肺の線維芽細胞の活性化を検証する実験系を順調に確立した。これまでの研究成果に基づいて、高血糖状態が繊維芽細胞の老化を促進し、がんの転移に関わる可能性を示している。さらに、高血糖状態が、肺転移形成の前に、肺組織内で繊維芽細胞の老化を誘導し、転移前ニッチとして転移を促進することが明らかとなった。動物モデルにおける表現型の確認はスムーズに行えており、現在は分子メカニズムの検証に向け準備を進めている。

今後の研究の推進方策

ここまでの研究成果から、高血糖状態での線維芽細胞の老化の指標として、FAPレベルが上昇していることが明らかとなった。さらに繊維芽細胞のFAP上昇には、高血糖に曝された胃がん細胞由来因子が重要であることも同時に明らかとなった。現在までに、線維芽細胞の活性化(FAP発現)に関わるがん細胞由来因子を明らかにするために、高血糖環境下で培養したがん細胞を用いてRNAシーケンシング、網羅的プロテオミクスをおこなっている。これらの統合的解析から、線維芽細胞の活性化、さらには前転移ニッチ形成に重要な因子を明らかにしていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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