研究課題/領域番号 |
23K15488
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市川 伸樹 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (50779890)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リンパ球単球比 / 大腸癌 / 癌微小環境 / リンパ球CRP比 / 大腸癌切除 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの予備的検討で、ステージⅠ―Ⅳ大腸癌における大腸癌原発巣切除で、末梢血中リンパ球/CRP比(LCR)やリンパ球/単球比(LMR)の周術期変化において、これらが術後増加する症例は減少する症例より予後が良い可能性を見出し、切除による免疫状態の好転が予後改善に関係すると考えた。今回は大腸癌原発巣切除検体にトランスクリプトーム解析を行い、免疫状態の変化パターンごとの癌微小環境下における組織学的根拠と検討する。最終的には、予後との相関から、原発巣姑息的切除施行意義や術後補助化学療法適応を含め大腸癌個別化治療戦略決定の根拠となる組織学的根拠を提唱する。
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研究実績の概要 |
本邦において、大腸癌は年々増加していることから、その新規診断法および治療法の開発は重要である。大腸癌の50%以上は初診時に進行した状態であり、根治手術が可能であった場合も再発後は予後不良である。適切に再発や予後予測を行い、必要な患者に効果的な治療法を選択する事が治療成績向上の鍵と言える。今回、再発リスクを予見するバイオマーカーとして、末梢血中リンパ球/単球比(LMR)とリンパ球/CRP比(LCR)に着目した。 これまでの予備的検討では、ステージⅠ―Ⅳ大腸癌の原発巣切除前後の末梢血LCR、LMRの変化において、これらが術後増加する症例は減少する症例より予後が良い可能性を見出し、切除による免疫状態の好転が予後改善に関係すると考えた。今回この研究の対象検体にトランスクリプトーム解析を行い、癌微小環境下における組織学的根拠を検討する事を目的としている。すなわち、①ステージⅠ-Ⅲ大腸癌において手術により免疫状態が改善する症例の病理学的特徴解明、②同症例群における術後補助化学療法の施行意義、③ステージⅣ切除不能転移性大腸癌において手術により免疫状態が改善する症例の病理学的特徴解明、④同症例群における原発巣姑息的切除施行意義に関する検討を順に行い、最終的に、大腸癌個別化治療戦略決定の根拠となる組織学的根拠を提唱する。 本年度は、検体入手の事情から、③の課題から研究に着手した。倫理審査手続きに引き続き、ステージⅣ大腸癌姑息切除例でLMRの術後増加群と減少群それぞれから代表的な症例を抽出し、RNA抽出作業を開始した。現在はRNA抽出の条件検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理審査手続きに8か月以上を要したため、実験の開始が遅くなった。また、対象症例組織のパラフィンブロックからRNA抽出を行ったが、RNAの濃度が低く、実験の条件検討に時間を要している。ここ部分がクリアされれば、その後の実験はスムーズに進むと見込んでおり、慎重に検討を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、対象症例組織のパラフィンブロックからRNA抽出する工程での条件検討を行っている。この部分がクリアできれば、その後の実験はスムーズに進むと見込んでいる。また、当初、①ステージⅠ-Ⅲ大腸癌において手術により免疫状態が改善する症例の病理学的特徴解明、②同症例群における術後補助化学療法の施行意義、③ステージⅣ切除不能転移性大腸癌において手術により免疫状態が改善する症例の病理学的特徴解明、④同症例群における原発巣姑息的切除施行意義に関する検討の順に検討を行う予定であったが、検体の都合で、③④→①②の順に検討を進める予定としている。
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