研究課題
若手研究
膵臓癌患者は化学療法を含めた治療の進歩に関わらず依然予後不良である。膵臓癌は血管新生が乏しい腫瘍であり、低酸素、低栄養環境のもと増殖可能なように細胞が自らの一部を分解し細胞内エネルギーであるATPを産生するオートファジーにより腫瘍の成長を促進することが悪性化の一因と考えられる。本研究ではオートファジーの最終段階であるライソゾーム酵素を阻害することに注目した。さらに近年、鉄代謝に依存した過酸化脂質の蓄積による細胞死“フェロトーシス”が注目されており、本研究ではライソゾーム酵素がフェロトーシスに関与する機序を解明し、ライソゾーム酵素の抑制による膵臓癌に対する革新的治療法の開発を目指す。