研究課題/領域番号 |
23K15506
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
阿部 恭平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30751292)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 膵癌における栄養療法効果 / 腸内細菌プロファイリング |
研究開始時の研究の概要 |
東京慈恵会医科大学附属4病院における前向きコホート試験 (ランダム化)として行う。症例対象研究として、ω3系脂肪酸投与患者において、①研究開始時②開始28日③開始56日において評価項目を比較、前研究の症例蓄積とする。被検者を2群(①ω3系脂肪酸投与群 vs. ②ω3系脂肪酸非投与)に分け、RCTとして、ω3系脂肪酸投与を行っていない膵癌化学療法施行患者と比較する。 被検者:切除不能膵癌で化学療法施行中の患者 方法:被検者に対し、経腸栄養剤(イノラス)2パックを投与し、投与前、投与開始28日目、56日目に評価項目を検査する。 評価:主要評価項目…糞便のRNA解析、病理検体の細菌学的評価、全生存期間
|
研究実績の概要 |
東京慈恵会医科大学附属4病院(多施設共同研究)における前向きコホート試験 (ランダム化比較試験)として行う。症例対象研究として、ω3系脂肪酸投与患者において、①研究開始時②開始28日③開始56日において評価項目を比較、前研究の症例蓄積とする。被検者を2群(①ω3系脂肪酸投与群 vs. ②ω3系脂肪酸非投与)に分け、RCTとして、ω3系脂肪酸投与を行っていない膵癌化学療法施行患者と比較する。 被検者:切除不能(非切除または術後再発)膵癌で化学療法施行中の患者 方法 当院にて経験した切除不能膵癌患者に対し、経腸栄養剤(イノラス)2パック(ω3系脂肪酸1960mg/394mL/600kcal)以上/日を投与し(2パックで厚生労働省1日推奨量を摂取)、投与前、投与開始(研究開始)28日目、56日目に評価項目を検査する。対象患者のうち、膵癌患者については、研究開始28日目より膵消化酵素補充剤リパクレオン® (150mg、12T/日)を投与し、(研究開始)56日目に以下の項目を評価とし、ω3系脂肪酸の治療効果を前向きに検討する。 評価 主要評価項目…糞便のRNA解析、病理検体の細菌学的評価(後述)、全生存期間 副次的評価項目…骨格筋量、化学療法奏効率、化学療法継続率、血中EPA濃度、Glasgow prognostic score、RTP、好中球、IL-6、NK細胞活性 、HbA1c、CEA、CA19-9)各種炎症性サイトカイン、細胞性免疫に関する血液検査所見(末梢リンパ球数、血清免疫グロブリン定量、T・B細胞百分率、NK細胞活性、リンパ球幼若化試験、ADCC活性、CD4/CD8比)。 上記評価項目は採血・体組成計にて経時的に評価を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵癌の腸管免疫というテーマについて臨床研究をランダム化試験としてすすめており一定の結果を得ている。研究成果について各学会で発表しており、今後論文化を含めてすすめる予定である。今後はさらに生化学、細菌学的評価を追加し多角的な評価と結果解析を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はさらに分子生物学的な要素も追加し研究をすすめたいと考えている。 被検者の糞便を治療前・治療後に採取し、Northern plotにて評価を行う。16S rRNA遺伝子はほぼ全ての微生物に存在し、適当に配列変化が起きるため、微生物の系統分類と同定に利用され、腸内細菌叢プロファイリングを行う。 また病理検体についての解析も追加する。対象患者の①切除後再発症例については手術検体、②切除不能症例については超音波内視鏡下穿刺吸引法により検体を採取、解析を行う。 さらに膵癌患者便中に検出される腸内細菌の同定を行い、細菌学的な方面からの評価も行う。膵癌患者の糞便からDNAを抽出する。便中の腸内細菌の網羅的解析を16S rRNA解析を用いて行う。ω3系脂肪酸非投与群と比較し、ω3系脂肪酸投与に多く存在する腸内細菌を同定する。
|