研究課題/領域番号 |
23K15508
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
猪俣 陽介 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (50975307)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | NASH / Kupffer細胞 / microRNA / 非アルコール性脂肪性肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝硬変・肝細胞癌が発症することが最大の問題であるが、NASHの発症機序はいまだ不明である。一方で、NASH発症過程において肝特異的マクロファージであるKupffer細胞でM2型からM1型への分極化が注目されており、新たな治療標的として期待されている。申請者は、NASH発症過程におけるKupffer細胞内の糖代謝経路の変化とmiR122-5pの関連性を解明し論文化してきた。 そこで本研究では、NASH発症過程でのmiR122-5p調節による解糖系経路変化と、Kupffer細胞分極化の関連性を細胞・動物実験で明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
近年、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の罹患率が上昇している。一部のNASHから肝硬変・肝細胞癌が発症することが最大の問題であるが、NASHの発症機序はいまだ不明であり、NASHの根本的な治療方法は確立されていない。一方で、NASH発症過程において肝特異的マクロファージであるKupffer細胞でM2型からM1型への分極化が注目されており、新たな治療標的として期待されている。申請者は、NASH発症過程におけるKupffer細胞内の糖代謝経路の変化とmiR122-5pの関連性を解明し論文化してきた。 そこで本研究では、NASH発症過程でのmiR122-5p調節による解糖系経路変化と、Kupffer細胞分極化の関連性を細胞・動物実験で明らかにすることを目的とする。これらの成果から、miR122-5pを用いたKupffer細胞の解糖系変化を標的とした新規NASH治療薬に展開することを目標とする。 本年度はマウスNASHモデルの飼育およびKupffer細胞分離を行った。コラゲナーゼ潅流法でKupffer細胞の分離をし、比較的安定して分離作業を実施できた。分離したKupffer細胞はプロテオーム解析を行い、優位に上昇したタンパクに着目し現在詳細検討を行っている。さらに、NASH発症時の肝細胞の分子的変化との関連性を検討するため分離肝細胞についてもプロテオーム解析を実施する方針となった。 また、in vitro実験では主にマウス由来Kupffer細胞(KUP5)を用いて分極化実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスNASHモデルからのKupffer細胞分離はコラゲナーゼ潅流法で実施しており、先行研究から引き継いだ実験であるため、比較的安定してKupffer細胞の分離を実施できた。分離したKupffer細胞は、分極化マーカーを含め網羅的に解析する目的で、プロテオーム解析を実施したが、サンプル調整に時間を要し計画がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
使用しているマウスNASHモデルは癌化することが知られているので、現在長期飼育を行っている。この長期飼育モデルでもKupffer細胞を分離し、プロテオーム解析などのタンパク発現解析およびRT-PCR法でmicroRNA発現解析を行う予定である。 NASH臨床ヒト検体からのKupffer細胞分離実験は、マウスモデルプロテオーム解析でターゲットとなるタンパクを同定してから実施する予定である。
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