研究課題/領域番号 |
23K15510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中村 達郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20898457)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 胃切除後症候群 / 胃シンチグラフィー / 残胃運動機能 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌手術は多臓器合併切除を伴う拡大手術から胃をできるだけ温存する縮小手術へと変化してきた。しかし, 温存した胃に食物が停滞するなど胃切除後症候群により食事の摂取に苦労する患者は多く, 残胃の運動機能を定量的に評価する検査方法が未だに確立されていないことは重大な課題である。このため治療の選択肢は開発されているにも関わらず, 客観的に治療介入ができていないのが現状である。本研究では, 胃シンチグラフィーを用いて胃切除術後の経時的な残胃運動機能の変化を定量化し,治療介入の指標となる残胃運動機能分類を開発する。この研究は胃切除後症候群の病態に合わせた適切な治療選択に結び付くことが期待される。
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研究実績の概要 |
本年は研究開始1年目であるが計画に基づいて胃切除後の残胃運動機能に関して胃シンチグラフィーを用いて定量化を試みた。研究手法において大きな問題なく, 予定通り残胃運動機能を定量化することができた。現在のところ幽門側胃切除後のBillroth-Ⅰ法が6例, Roux-en-Y法が6例, 噴門側胃切除後の上川法が12例とまだ予定症例には到達していないが順調に症例を蓄積している。また同時に残胃運動機能が経時的に改善していくのかを明らかにするための2回目の胃シンチグラフィーも11例に施行できている。これらの症例から残胃の運動機能として概ね術式ごとの傾向が明らかとなってきている。具体的には, ダイナミック撮影において幽門側胃切除では再建方法を問わず残胃の動きは全例に認めていないのに対して噴門側胃切除では全例に残胃に活発な運動を認めることが明らかになっている。引き続き症例を蓄積して定量化した残胃運動機能を術式毎に比較していくことが可能であると考えている。これらの途中成果は, 非常に興味深い結果であり, 第123回日本外科学会のサージカルフォーラムや第96回日本胃癌学会総会のパネルディスカッションなどの全国学会やAmerican college of surgeonsのclinical congress 2023(国際学会)で発表しており,今後も発表を通じて広く意見をいただきながら研究を進めていく所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幽門側胃切除後のBillroth-Ⅰ法,Roux-en-Y法, 噴門側胃切除後の上川法をそれぞれ20例ずつ集積することを目標としており, 噴門側胃切除は半数を超えたが, 幽門側胃切除については半数に到達してないため引き続き研究参加者を集積していく。
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今後の研究の推進方策 |
術式別の残胃運動機能についてダイナミック撮影にて傾向は掴めてきたため, 予定症例が集積された時点で定量値について比較検討する予定である。同時に2回の胃シンチグラフィーを施行できた症例に関しても解析を進め, 経時的に残胃運動機能が回復するかについても明らかにしていく予定である。
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