研究課題/領域番号 |
23K15524
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井上 聖也 徳島大学, 病院, 講師 (50563813)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 食道癌 / リキッドバイオプシー / miRNA / 治療効果判定 / 予後因子 |
研究開始時の研究の概要 |
食道がんは、本邦での臓器別死亡第7位の予後不良な癌である。食道がんの化学療法は、術前化学療法が標準化され、大きく変わろうとしている。しかし、切除不能となる例や根治切除を行うも早期に再発する例があり、化学療法や手術が正しい選択肢であったかを悔やむことも少なくない。事前に化学療法抵抗性や予後不良な症例を同定することができれば、個別化治療を行うことができる。近年、血清中のmiRNAが予後予測となりうると報告され、今後の研究の進歩が期待されている。本研究は、食道がん患者の血清から標的となりうるmiRNAを抽出し、臨床転帰を統合し、そのmiRNAの意義を解明するものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、食道がん患者におけるmiRNA発現の臨床的意義を明らかにするとともに、化学療法の抵抗性のメカニズムを解明し、個々の患者に合ったテーラーメイド治療への足がかりとすることを目的としている。 令和5年度の実施目標は、この研究の対象となる症例のリストアップを行い、その症例の凍結血清検体からtotal RNAを抽出し、miRNAを同定することである。具体的にリストアップされた症例の術後摘出標本病理所見を基に群別化する。組織学的治療効果判定がGradeIII(pCR)、効果が不十分であったGradeIの症例を分け、それぞれ5例を選択する。この5例については選別できている。現在、凍結した血清検体から、miRNeasy Serum / Plasma Kit(Qiagen, Hilden, Germany)を使用して、total RNAの抽出を行っているところである。他の検体を用いて、抽出作業の練習を行っている。非常に操作が細かく、時間を要するため抽出作業に難渋している。少しずつ純粋なtotal RNAが抽出されてきており、準備が整うと思われる。total RNA抽出できれば、実際の対象症例の抽出作業を行い、良好なtotal RNAであればマイクロアレイ解析を行っていく予定である。 マイクロアレイを行うことができれば、その検出されたmiRNAの発現頻度の高いものを同定し、そのmiRNAを他の検体を用いて、発現しているかどうかRT-PCRを用いて検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、凍結血清検体からtotal RNAの抽出作業の確認を行っている。血清サンプルから、total RNA抽出キットを用いて、抽出し、良好なRNAが抽出できているか確認している。数サンプルで行っているが、良好なRNA抽出には至っていない。手技を確実にし、良好なtotal RNAの抽出作業が行えるよう練習している。抽出作業が十分な成績となれば、計画に沿って次の段階に移れるよう計画している。上記の結果を考慮し、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
良好なtotal RNAの抽出が困難である場合は、別の会社のキットを用いるようにする。 また、凍結血清検体の不良もあるかもしれないので、研究対象外のサンプルも用いて検証していく。最初のtotal RNAの抽出が良好となれば、次の段階、その次の段階へスムーズに進行すると思われる。
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