研究課題
若手研究
いまだ予後不良な膵臓癌において、転移浸潤の機序を解明し、新たな治療戦略を立案することが喫緊の課題である。特に膵臓癌肝転移は多くの症例で認めるにもかかわらず、その分子生物学的機序は十分に解明されておらず、詳細な解明が望まれている。一方、リン脂質は細胞表面のシグナル伝達の受容体発現、および細胞内シグナル伝達に関与する。また、細胞接着の観点からも癌の増殖、浸潤、転移に関与することが報告されており、癌細胞におけるリン脂質の役割についても詳細な解析が望まれている。本研究における目的は、膵臓癌肝転移の分子生物学的機序をリン脂質代謝の側面から明らかにし、膵臓癌に対する新たな治療戦略を確立することである。