研究課題/領域番号 |
23K15539
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 孝一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師 (50644994)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ハイブリッドポリマー / 人工弁 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、心臓弁膜症に対して使用される「機械弁」や「生体弁」はそれぞれ抗凝固薬が必要であることや耐久性などの問題がある。これらは特に高齢化が進む本邦にとって早急に取り組むべき深刻な課題とされておりながら、これまで革新的な改善には至っていない。これら課題に対し、マイクロ繊維を編み込んだ医療用ファブリックと熱可塑性ポリマーとの複合体(ハイブリッドポリマー)に着目した。本素材はハイブリッドにすることにより生まれた耐久性に、ポリマーが本来持つ抗血栓性を併せ持つことが期待される。本研究は、上記ハイブリッドポリマーを用いて耐久性・抗血栓性に優れた次世代型人工弁を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度については予定通りハイブリッドポリマーの作成・選定および血行動態力学的に優れた人工弁フレームの作成に注力した。 3Dプリンターによる人工弁フレームでも十分な強度を有することが判明したため、フレームはしばらく3Dプリンターにて作成することとした(合同会社DMM.comで受注)。DSM社のハイブリッドポリマーを用いてprototype 1-3の人工弁を作成。 流体実験では弁口面積は1.41cm2とcontrolの生体弁(1.69cm2)と比較しやや劣る結果であったが、頻拍下では1.30cm2とcontrol(2.18cm2)と比較し著明に低下していた。これはハイブリッドポリマーの強度は問題なかったが、しなやかさにかけること、また弁腹の張りで開口を妨げていたことが判明し、それらを改善するべくフレームデザインを修正しながら、DSM社に新しいハイブリッドポリマーについて相談した。 2024年1月に新しいハイブリッドポリマー3種類を開発。それらを用いて新しいフレームとともに3種類のprototype 4を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フレーム開発のコスト、労力が心配であったが、3Dプリンターを用いることで比較的迅速にかつ定められたコストの範疇で行えた。また、耐久性試験(prototype 3)も予定通り行えた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度早々に新しいハイブリッドポリマーとフレームを用いた人工弁(prototype 4)について流体実験と耐久性試験を行う(イワキ社)。そのfeedbackから引き続きもっとも強度や流体力学的にすぐれた次世代型人工弁を作成する。可能であれば今年度末から動物への植込み実験に移行したい。
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