研究課題/領域番号 |
23K15548
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
朔 浩介 久留米大学, 医学部, 助教 (50771862)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 大動脈弁狭窄症 / 心アミロイドーシス |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈弁狭窄症(AS)、心アミロイドーシス(CA)はいずれも高齢者において頻度が高い疾患であるが、近年両疾患が併存する頻度が高いことが報告されている。また、大動脈弁のみにアミロイド沈着を認める「isolated valvular amyloidosis(IVA)」の報告もあるが、アミロイド沈着と弁の石灰化との関係、CAとの関係、予後への影響は未だ解明されていない。本研究は、外科的大動脈弁置換術を行うAS症例を対象とし、IVAに着目し、その合併頻度、弁の石灰化との関係、CA移行の前段階の病態であるのかを解明する。IVAの解明は、ASにおけるCA合併のメカニズムの解明の一助となる可能性がある。
|
研究実績の概要 |
2021年4月~2024年5月において、大動脈弁狭窄症(AS)に対して外科的大動脈弁置換術(SAVR)を施行した症例のうち、研究同意が得られた症例は74例である。摘出した大動脈弁の病理解析(Congo Red染色)を行い、大動脈弁及び心筋へのアミロイド沈着(Valvular amyloidosis:VA)の有無を検証した。 VA+群は48例(64.9%)(※わずかな沈着で病型解析困難症例を含む)、VA-群は26例(35.1%)であった。VA+群のうち、心筋も採取できた症例は68例あり、その内心筋にアミロイド沈着を認めた症例は合計で6例(8.8%)であった。74例中、骨シンチグラフィを23例に施行し、1例のみ心筋への集積を認めた。 これまでの先行研究では、大動脈弁狭窄症(AS)に対して外科的大動脈弁置換術(SAVR)を施行した38例中、VA+群は22例(57.9%)であった。術前CT検査における大動脈弁のカルシウムスコア(Agatston Score)は、VA+群の方が有意に高値(p=0.034)であった。さらに、カルシウムスコアを目的変数とした多変量解析を行ったところ、VAは独立した正の相関関係を有することが判明した(p=0.011)。 今後、全例でカルシウムスコアを算出し、VAと石灰化との関係を検証する。さらに、術前後の心エコーデータを併せ、AS重症度との関係、遠隔期心機能との関係を検証する予定である。また、目標症例数100例に達していないため、引き続き症例の登録も進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床業務との兼ね合いで、研究活動の割合が低くなってしまったため。 カルシウムスコアの算出及び、Valvular amyloidosisとカルシウムスコアの相関、心エコーデータとの相関の評価ができていない。症例の登録は臨床業務を行いながら進めることができているが、2023年度では目標症例数(100例)に達することができなかった。引き続き症例の登録も行う必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
目標症例を目指し症例登録を進め、大動脈弁狭窄症(AS)におけるValvular amyloidosisの頻度を明らかにする。カルシウムスコア、心エコーデータとの相関関係を明らかにするだけでなく、許可が得られた症例は骨シンチグラフィも施行し、心アミロイドーシス陽性率もみていく。 2024年度以降は、Valvular amylidosisと弁の石灰化との関係性を明らかにするため、光学顕微鏡及び電子顕微鏡を用いて大動脈弁を観察し、アミロイド蛋白と骨芽細胞の局在を確認する予定である。
|