研究課題/領域番号 |
23K15562
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
福原 光朗 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40747226)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肺癌 / がん免疫療法 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 患者由来腫瘍組織移植モデル (PDX) / 三次リンパ様構造 (TLS) / 三次リンパ様構造 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法 (以下IO) は肺がんを含むがん治療において中核的な位置を占めるに至ったが, IOの課題として効果予測因子が未確定であることが挙げられる. 我々は以前より腫瘍内三次リンパ様構造 (以下TLS)に着目し, 肺がんにおける臨床的意義や機能解析を進めてきたが, 近年TLSが腫瘍内部での抗原提示やリンパ球の成熟化と関与していると報告されている. 本研究ではTLSの構造と機能解析を行いつつ, TLS誘導動物モデルを確立してIO効果を増強させることを目指している. 誘導されたTLSがIO効果を増強すれば, 従来IO効果に乏しかった腫瘍にも新規のがん免疫療法として発展応用が期待できる.
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研究実績の概要 |
がん免疫療法 (以下IO) はすでに肺がんを含むがん治療において中核的な位置を占めるに至った. 2019年には切除不能進行肺がんの一次治療の座に着き, 2022年には肺がんの周術期治療にも適応が拡大された. しかしながらIOの課題として効果予測因子が未確定であることが挙げられ, 無効症例や重篤な副作用を起こす可能性も考慮すると, 精度の高い治療効果予測のためのバイオマーカーの確立が必須と言える. 我々は以前より腫瘍内三次リンパ様構造 (以下TLS)に着目し, 肺がんにおける臨床的意義や機能解析を進めているが, 近年TLSが腫瘍内部での抗原提示やリンパ球の成熟化と関与していることが示され, IO治療効果の有望なバイオマーカー候補として報告が相次いでいる. しかしながらTLSはその内部構造やリンパ球分布が一様でなく, それらがいかにIOの治療効果と関連するのかは未だ明らかではなく, またTLSを治療標的の主軸としたIOも未だ報告されていない. 本研究ではTLSの構造と機能解析を実臨床の手術検体で行いつつ, TLS誘導動物モデルを確立してIO効果を増強させることを目指している. 再移植したTLSがIO効果を増強すれば, 実臨床でも応用が可能と考えられ, 従来IO効果に乏しかった腫瘍にも新規のがん免疫療法として発展応用が期待できる. 本学において過去にIOを受けた非小細胞肺がん患者 55例を解析した結果,長期抗腫瘍効果を得ている患者はれ以外の患者と比べて病理組織中のCD8陽性TILやTLSが有意に多いことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本学において臨床データとして過去にIOを受けた非小細胞肺がん患者の治療効果とTLSの関連性が明らかとなった. その一方でTSL誘導PDXモデルに必要な濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)の単離がまだ確立できていない.
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今後の研究の推進方策 |
TLSのサブセット解析を進める. 具体的には手術で摘出した組織検体においてCD3, CD20, CD21, CD23, PNAd, PD-1を染色し, 腫瘍組織内および周囲のCD20+細胞の集簇をTLSと定義する. CD21-CD23- TLSを未熟TLS, CD21+CD23- TLSを初期TLS, CD21+CD23+ TLSを成熟TLSと定義し, 各検体におけてこれらの分布や数を評価する. 単染色での評価と並行してOpal systemを用いた多重蛍光免疫染色を用いて同一組織内での免疫担当細胞の分布も評価する.
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