研究課題/領域番号 |
23K15573
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺田 類 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (30880984)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | クリオプレシピテート / 産科危機的出血 / 中空糸膜 / 凝固障害 |
研究開始時の研究の概要 |
大量出血症例において、新鮮凍結血漿(FFP)の代わりに、低温融解により凝固因子成分を析出・濃縮したクリオプレシピテート(クリオ)を使用することで、効率のよい凝固因子の補充・患者の止血能の速やかな回復が実現し、治療予後が改善することが期待される。しかし、クリオの調製には長時間の低温融解や析出凝固因子成分回収のための大型遠心機の必要性など複数の制約が存在する。本研究は、新規に開発した中空糸膜法で簡便かつ迅速に調製したクリオが、通常のクリオと比較し同等以上の止血効果を持つか、産科危機的出血症例を用いて、前向きにその有効性と安全性を検証する。
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研究実績の概要 |
産科危機的出血は妊産婦300人に1人の頻度で起こり、周産期管理の進歩により死亡率は減少しているが、依然として産科死亡の主要な原因である。新鮮凍結血漿(FFP)のかわりに、低温融解により凝固因子成分を析出・濃縮したクリオプレシピテート(以下クリオ)を使用することで、効率のよい凝固因子の補充・患者の止血能の速やかな回復が実現し、治療予後が改善することが期待される。しかし、クリオの調製は、赤十字からの供給ではなく、自施設で、1-2日間の低温融解、析出凝固因子成分回収のための大型遠心機の必要性など時間的にも、物理的にも制約が存在する。本研究は、新規に開発した中空糸膜法で簡便かつ迅速に調製したクリオ(中空糸膜クリオ)が、通常のクリオと比較し同等以上の止血効果を持つか、産科危機的出血症例を用いて、前向きにその有効性と安全性を検証した。 探索的研究であり、非無作為化、非盲検の単群比較研究である。対照はヒストリカルコントロールとした。主要評価項目は、有効性を示す推定フィブリノゲン値との比較(クリオ投与後のフィブリノゲン実測値と理論上の推定フィブリノゲン値の差)とした。 倫理申請とその承認、臨床保険の加入、jRCTへの登録、中空糸膜クリオの前段階の凝固活性因子の比較検討、各診療科との患者の組み入れの基準や運用方法について協議などの準備を整え、症例登録を開始した。現在、38名からの参加同意を得て、実際に大量出血を起こし、中空糸膜クリオを使用したのは2症例である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予測したより大量出血症例数が減少していること、また、夜間などシステム上中空糸膜クリオを供給できない時間帯に大量出血症例が比較的発生すること、最後に、産科出血に対するフィブリノーゲン濃縮製剤の保険適応が相まって、中空糸膜クリオ使用症例が減少しているため。
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今後の研究の推進方策 |
上記で記載したように、症例の組み込みが当初の予測より進んでおらず、 作製したものの、期限切れとなってしまった中空糸膜クリオを多数在庫している。 この期限切れとなってしまった中空糸膜クリオを用いて、in vitroでこの中空糸膜クリオの作用・効果を検討する実験を計画している。
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