研究課題/領域番号 |
23K15581
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高村 敬子 (大神敬子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80812924)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経ブロック / 解剖体 / 覚醒下手術 / 超音波ガイド下頬骨側頭神経ブロック |
研究開始時の研究の概要 |
覚醒下手術は開頭手術中に患者を覚醒させ神経機能評価を行う手技であり、言語および運動機能の温存に有用である。この手術の麻酔管理では創部痛の遮断が重要となる。神経ブロックを行うが、頬骨側頭神経のブロック法について詳細に検討した文献は存在せず、神経走行に適した安全かつ効果的な手技の開発が必要である。本研究では研究代表者が麻酔科学と肉眼解剖学に精通している独自の経験と優位性を活かし、解剖体にて頬骨側頭神経および周辺の構造物を肉眼的・画像的に検討し、神経走行に合したブロック法を開発する。これまで明確な指針のなかった超音波ガイド下頬骨側頭神経ブロック法について、安全で確実な手技が明らかになると期待される。
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研究実績の概要 |
覚醒下手術は開頭手術中に患者を覚醒させ、神経機能評価を実施しながら脳切除をすすめる手技であり、言語および運動機能の温存に有用である。覚醒下の麻酔管理で最も重要な点は、手術創部の痛みを完全に遮断することである。局所麻酔薬を用いた適切な神経ブロックを行うことで疼痛を遮断できるが、三叉神経の分枝である頬骨側頭神経の超音波ガイド下ブロックについて詳細に検討した文献は存在しないため、至適穿刺部位と薬剤投与量や神経走行に適した安全かつ効果的なブロック法の開発が必要である。 このため、本研究では研究代表者が麻酔科学と肉眼解剖学に精通している独自の経験と優位性を活かし、解剖体にて頬骨側頭神経および周辺の構造物を肉眼的・画像的に検討し、神経走行に合したブロック法を開発することを目的として計画した。本研究で頬骨側頭神経の詳細な走行が明らかになることで、これまで明確な指針のなかった超音波ガイド下頬骨側頭神経ブロック法について、安全で確実な手技を一般化できると期待される。当該年度では、頬骨側頭神経の走行に関する肉眼解剖学的解析の目的で、 長崎大学医学部の解剖学実習に供されたホルマリン固定解剖体5体10側を対象とし、頬骨側頭孔から頬骨側頭神経が出現し、皮下に分布するまでを剖出し、神経周囲の筋・筋膜・血管・皮下 組織などの周辺構造との関連について仔細に調査した。さらに頬骨側頭孔の一般的な位置を明らかにするため、現代人骨を用いた計測調査も行うこととした。 本年度は、ホルマリン固定遺体での頬骨側頭神経の剖出や計測を行うとともに、超音波装置を用いた薬液投与に最適な部位の検討も実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の肉眼解剖学的調査対象は12体の予定であったが、予測よりも剖出に時間を要すること、学生解剖学実習のご遺体を使用しているため実習スケジュールが決まっており、研究に使用する十分な時間を確保できなかったことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
頬骨側頭神経の走行に関する肉眼解剖学的解析を引き続き2年目に行う。長崎大学医学部の解剖学実習に供されたホルマリン固定解剖体を対象とし、頬骨側頭孔から頬骨側頭神経が出現し、皮下に分布するまでを仔細に剖出する。このとき、神経周囲の筋・筋膜・血管・皮下 組織などの周辺構造との関連についても調査する。超音波ガイド下頬骨側頭神経ブロックを行う場合の確実なランドマークを同定する。
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