研究課題/領域番号 |
23K15584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
辻川 翔吾 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00824301)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経障害性疼痛 / ミクログリア / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
神経障害性疼痛は神経の損傷や機能不全の結果生じ、触覚刺激で激烈な痛みを誘発するアロディニアという症状が特徴的である。神経を損傷すると脊髄後角のミクログリアが活性化し活性酸素種(ROS: reactive oxygen species)を介した過剰なカルシウムシグナルにより炎症性サイトカインが放出されアロディニアを引き起こす。近年、炎症性疾患を含めた様々な疾患の治療法としてROS産生を抑制する水素療法が注目されている。 本研究では神経障害性疼痛に対する水素療法の有用性を示し、メカニズムとして脊髄ミクログリアのカルシウムシグナルが関与していることを明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
8週齢の野生型アロディニアモデルマウスに4%水素水もしくは生理食塩水をそれぞれ1日2回7日間腹腔内投与(1回: 10 ml/kg)し効果を比較した。初回投与はモデル作成5時間後に行った。モデル作成後7日目には水素水投与群で有意にアロディニア症状が軽減され、薬剤投与を終了するとモデル作成後12日目にはその効果は消失した。生食群ではアロディニア症状の改善は認められなかった。この結果から、水素療法は神経障害性疼痛に対し有用である可能性が示唆された。そこで神経障害性疼痛治療として水素療法の有用性を明らかにするため、脊髄ミクログリアのROSを介したカルシウムシグナルに焦点を当て研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り行動実験は概ね終了し結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
脊髄初代培養ミクログリアを使用しカルシウムイメージングを行うことにより細胞でのカルシウム濃度変化を比較する。また、神経障害性疼痛発症時にミクログリアを活性化するATP、ADPを還流することで効果に関与している受容体の推定を試みる。 またアロディニアモデル作成後、7日間生理食塩水もしくは水素水を投与する。投与後のマウスから急性脊髄スライスを作成し脊髄後角膠様質細胞からホールセルパッチクランプ法により記録を行い、生食群、水素水群でspontaneous excitatory/inhibitory postsynaptic currents (sE/IPSCs) の頻度を比較検討する。
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