研究課題/領域番号 |
23K15595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 竜介 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (30771969)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 麻酔深度モニター / 脳波 / 脳波位相振幅解析 / ケタミン |
研究開始時の研究の概要 |
全身麻酔深度は浅い麻酔深度の場合、術中覚醒に繋がるため回避しなければならない。一方、深い麻酔深度も術後せん妄との関連が示唆され、避けるべきである。麻酔の質の向上のために適切な麻酔深度を維持することが重要であるが、、既存の麻酔深度モニタリングは必ずしも適切な麻酔深度を反映しない。最近、脳波の位相と振幅連関(Phase Amplitude Coupling:PAC)の変化は、より正確に麻酔深度を反映する可能性が示された。そこで本研究では、術中脳波のPAC解析を用いて、より正確な新規麻酔深度モニタリング法を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
脳波のPhase amplitude coupling(PAC)がGABA作動性麻酔薬の麻酔深度と関連があることは知られている。しかし、ケタミンを併用した場合の脳波PACは明らかではない。麻酔中にケタミンを併用すると、従来の麻酔深度モニターでは正確にその麻酔深度を反映しない。そこで、我々はプロポフォールによる全静脈麻酔下にケタミンを併用した場合の脳波PACを調べた。プロポフォール全静脈麻酔下に麻酔を受ける患者10名を対象に、ケタミン(0.5 mg + 0.125 mg/kg/hr)投与前と10分後の脳波PACを比較した。脳波PAC解析として、α波の振幅が最大となるδ波の位相を調べた(Preferred phase, PrP)。また、従来の麻酔深度の指標であるBispectral index(BIS)とSpectral edge frequency (SEF) 95も比較した。ケタミン投与後、BISとSEF95は有意に上昇した(BIS, 47 ± 9 vs 62 ± 10, P < 0.001; SEF95, 15 ± 2 vs 20 ± 3 Hz, P < 0.001)。これは従来の麻酔深度測定法では、麻酔深度が浅くなっていることを示している。一方、ケタミン投与後、平均PrPは2.53 rad から1.21 radに有意に変化した(P = 0.011)。これは脳波PACがtrough-maxパターンからpeak-maxパターンに変化したことを示し、麻酔深度が深くなったことを示唆している。脳波PAC解析はケタミンを併用した場合の麻酔深度評価に有用であるかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、対象症例の登録、解析ができ研究はおおむね順調に進展している
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今後の研究の推進方策 |
さらに、症例数を増やし結果を確認し、研究成果を論文・学会で発表する。
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