• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

IGF-1によるT細胞機能調節を介した集中治療患者の長期予後改善

研究課題

研究課題/領域番号 23K15599
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関愛媛大学

研究代表者

小西 周  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (30868823)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードTリンパ球 / CD8T細胞 / ステロイド / IGF-1 / 神経内分泌免疫 / 集中治療 / 免疫 / 代謝
研究開始時の研究の概要

申請者らは、免疫応答の鍵を握るT細胞に注目して研究を行い、ストレスホルモンであるステロイドが細胞内代謝を抑制することでT細胞機能を阻害し、免疫応答を負に制御することを明らかにした。さらに、ステロイドによるT細胞機能の阻害は、IGF-1よって拮抗できることを見出した。そこで本申請研究では、IGF-1が免疫系に及ぼす影響について明らかにし、最終的には、IGF-1の使用によりT細胞機能を適切に管理することで、腫瘍・感染免疫応答の低下を防止し、集中治療患者の長期予後を改善するための新たな戦略の提示を目指す。

研究実績の概要

本年度の研究では、ステロイドとIGF-1の相互作用がT細胞の機能、分化、記憶にどのように影響を与えるかを中心に検討しました。in vitroの実験では、ステロイドによって抑制されたCD8 T細胞からの炎症性サイトカイン(IFN-γ、TNF-α)の産生がIGF-1との共培養によって回復することを確認した。また、CD8 T細胞の腫瘍細胞に対する殺傷能力を評価する実験(killing assay)においても、ステロイドにより低下した腫瘍細胞への殺傷能力がIGF-1との共培養で改善することを確認した。さらに、ステロイドによるCD8 T細胞の解糖能への負の影響がIGF-1との共培養で改善されることも確認した。

in vivoの実験では、体外で薬剤処理を行った細胞をマウスに移入する養子免疫マウスモデルを使用し、ステロイドによって抑制された抗腫瘍能、免疫記憶能、および細胞内寄生菌リステリアの排除能が、ステロイドとIGF-1で共培養したCD8 T細胞を移入した群において回復することを確認した。これらの研究成果は、日本麻酔科学会第70回学術集会の一般演題「IGF-1を介したT細胞代謝調節がステロイドによる免疫機能への負の影響を改善する」で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の研究成果から、ステロイドによるCD8 T細胞のサイトカイン産生能、免疫記憶機能、抗腫瘍免疫機能、抗感染免疫機能、および解糖能への負の影響が、IGF-1との共培養で改善されることが確認できた。研究は全体として順調に進展している。現在、T細胞代謝に対するステロイドとIGF-1の相互作用のメカニズムを解明するため、ステロイド以外の選択的代謝阻害薬とIGF-1を用いた共培養実験を行っており、IGF-1が代謝を改善するメカニズムの解析に注力している。

今後の研究の推進方策

RNA全解析およびメタボローム解析を用いて、ステロイドとIGF-1がCD8 T細胞に与える相互作用のメカニズムと細胞内代謝状態を解析する。また、臨床応用に向けて、ヒトCD8T細胞に対してIGF-1やインスリンを用いた代謝バランスへの介入を検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] IGF-1を介したT細胞代謝調節がステロイドによる免疫機能への負の影響を改善する2023

    • 著者名/発表者名
      小西周
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第70回学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi