研究課題/領域番号 |
23K15616
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小原 隆史 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00880840)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | CORM-401 / アセトアミノフェン / 一酸化炭素 / 薬剤性肝障害 / CORM / 肝細胞障害 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスを用いたACAP肝障害動物モデルを用いて、一酸化炭素の遊離分子(CO-releasing molecule; CORM)の経口投与(CORM-401)が、ASK-1発現を抑制し肝障害が制御できるかどうかを検証する。CORM-401に使用されるMnSO4は一般の薬剤の基質として広く用いられており、COの毒性を回避できる。我々の基礎実験ではCORMの効果が期待できる結果が得られており、本研究成果が有用な情報を提供できれば、画期的な新規治療薬の開発に繋がる可能性がある。
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研究実績の概要 |
CORM-401をACAP肝障害モデルマウスに経口投与することにより、肝細胞障害を制御できるか、そのメカニズムは何か?という学術的問いに対して、研究を開始した。まずは、モデルの作成として、6週齢C57BL6Nマウス雄にAPAP 300mg/kgの胃管投与後CORM-401 30mg/kgを投与した(AC)。薬理対象とCORM-401の輸送体の投与とし(AM)、SHAM群には蒸留水を投与した(S)。また、従来の治療法として、APAP投与後にNアセチルシステインを用いた(NAC)。評価項目として、組織評価(HE染色・免疫染色)、血清AST・ALT評価、肝内COX2-RNA発現、およびAPAPの血中濃度を測定した。結果、AM群では中心静脈周囲に肝細胞の変性・壊死を認め、同部位にHNE(酸化ストレス)の発現を認めた。一方、AC群では変化は認めずS群との差異はなかった。血清AST値(U/L)は、AM3213、AC 93、NAC 197であり、ALT値(U/L)は、AM 4374、AC 17、NAC 41であった。COX2の発現量(RPL比*10^4)は、AM 39、AC 3.6、NAC 4.1であり、APAP血中濃度(mg/L)は、AM402、AC 202であった。以上のことから、CORM-401はAPAPによる肝障害を抑制することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルの作成、病理組織評価、血清学的評価を行うことができた
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今後の研究の推進方策 |
メカニズム解析として、肝細胞を用いて、アセトアミノフェン障害モデルを構築し、CORM 401がどの点に作用しているか、ミトコンドリア等の分析を追加していく。また、RNA-sequence解析を行うことで、網羅的にCORM 401の効果を特定していくことを予定している。
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