研究課題/領域番号 |
23K15660
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宇野 豪洋 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10805154)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 脳動脈瘤 / 脳動脈瘤内コイル塞栓術 / 再発 / CFD / pressure difference / コイリング |
研究開始時の研究の概要 |
脳動脈瘤の破裂を防ぐには開頭クリッピング術や脳血管内コイル塞栓術による治療が主流である。血管内治療であるコイリングは、低侵襲であるが、再発率が高いことが問題である。 近年仮想コイル面における圧力上昇と再発との関連が注目されている。このモデルは術前に作成可能でコイリング後の再発が予測でき、有用な指標であるが治療成績には影響しなかった。 本研究では同一症例において様々な仮想コイル面にて圧力を測定し再発の少ない理想のコイル面を模索する。今まで術者の経験則で行われていたコイル面のデザインに対して、科学的根拠に基づいた新たな判断基準を確立することで、患者により安全で有効な治療を提供する事を目指す。
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研究実績の概要 |
脳動脈瘤の破裂を防ぐには開頭クリッピング術やコイリングによる治療が主流である。血管内治療であるコイリングは、低侵襲であるが、再発率が高いことが問題である。また、コイリングの理想のコイル面デザインに関して十分な科学的根拠に乏しいのが現状である。過去に流体力学解析によって仮想コイル面における圧力上昇と再発との関係が報告され注目されたが、この結果は術前に予測可能であり大変有用であった。しかしこの結果は再発の予測は可能であったがコイリングの治療成績向上には寄与しなかった。本研究では同一症例において仮想コイル面を変化させ、圧力を測定する事で再発の少ない理想のコイル面を模索する。今まで術者の経験則で行われていたコイル面のデザインに対して、科学的根拠に基づいた新たな判断基準を確立することで、患者により安全で有効な治療を提供する事ができる。 再発の少ないコイル面の模索: 一般的にコイリング後に動脈瘤のネック部分に血流が残存している neck remnantの状態では再発しやすいと言われているが、コイル面を変化させても圧力に差はなかった。分岐血管を有する動脈瘤では分岐血管を残したモデルでのコイル面にかかる圧力より、分岐血管ごと塞栓したモデルのコイル面にかかる圧力が低い傾向にあった。この結果は分岐血管を有さないside wall typeの内頸動脈瘤より分岐血管を有する terminal typeの内頸動脈後交通動脈瘤の方が再発しやすい機序の一因となる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1症例あたり6モデル作成する計画であり、解析量が膨大であった。またモデルでのシミュレーションに失敗する事も多くあり、十分な結果を集めることができなかった。動脈瘤モデルの作成に時間を要し、統計学的に評価できるほどデータが十分集まっていないのが現状である。またネック面の血流が増加するほど、圧力が増加すると予想していたが、モデル間で一定の傾向がなく、結果の解釈に検討が必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
症例数が少なく、統計学的に差が出なかった可能性がある。各モデルの症例数を増やして解析を行う。また現在得られた結果に対して過去の文献を渉猟し、検討を行なっていく。またコイル面にかかる圧力以外のパラメーターに関しても測定し結果を考察する。
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