研究課題/領域番号 |
23K15665
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
辻 正範 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20814908)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 数値流体力学 / 脳動脈瘤 / 多孔質媒体 / 血管内治療 / CFD / cerebral aneurysm / porous media modeling |
研究開始時の研究の概要 |
porous media modelingを用いたcomputational fluid dynamicsを行い,脳動脈瘤の血栓化による良好な治療成績を得るため,血栓化と関連の高いパラメータを開発する.また,血栓化が生じ動脈瘤が閉塞する時期は症例毎に大きく異なるため,血栓化の時期を予測することができれば,患者毎に適切な量の抗血小板剤を適切な期間だけ使用することが可能となり,抗血小板剤による出血性合併症を軽減することができる.より良好な治療成績と関連した診断精度の高いパラメータの開発,血栓化による動脈瘤が閉塞する時期の解明を本研究では目指す.
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研究実績の概要 |
未破裂脳動脈瘤に対する血管内治療の分野では治療技術の進歩に加えて,治療デバイスの改良が日々行われている.従来までのプラチナ製のコイルを用いたコイル塞栓術に加えて,頚部の広い動脈瘤では瘤外へのコイル逸脱を防ぐ目的でステントの網目(ステントセル)の粗いneck-bridging stent(NBS)を用いたstent-assisted coiling(SAC)が行われる.また,大型で複雑な形状,あるいは直達手術の難易度が高い動脈瘤の治療に際して,従来の頭蓋内ステントと比較してステントセルが細かいflow-diverter stent(FDS)が近年治療適応となり良好な治療成績を得ている. 多種多様な治療方法,治療デバイスが存在する一方で,直達手術と血管内治療の手術選択について患者毎に明確な指針はなく,術者の経験に委ねられている部分が大きい.そこでコイル塞栓術やステント留置による瘤内の血行力学的変化を短時間で評価し,患者にとってより安全で治療効果の高い治療方法を提供する目的で,我々は瘤内の血流領域,及び動脈瘤頚部のステント留置領域を多孔質媒体(porous media, PM)で置換した数値流体力学(computational fluid dynamics, CFD)を用いた研究を行なっている.術前段階において術後の瘤内の流速低下や血流うっ滞をシミュレーションし,解析結果と治療後の瘤の血栓化とを比較することで,解析結果の妥当性について検証する.血栓化予測に最も適したパラメータの開発,及び動脈瘤が閉塞する時期について検討し,CFDの血管内治療における臨床応用の可能性を探究する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
三重大学医学部付属病院に入院した未破裂脳動脈瘤55例を多孔質媒体を用いたCFDによる解析を行い,動脈瘤治療後の予後予測に関連する論文を書き上げ,Journal of Medical and Biological Engineeringに受理された.
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今後の研究の推進方策 |
多孔質媒体を用いたコイル塞栓術,及びNBS治療後の予後に関する報告はできたため,今後はFDSに関する研究をおこなっていきたい.
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