研究課題/領域番号 |
23K15713
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土方 保和 京都大学, 医学研究科, 研究員 (90954313)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨粗鬆症性椎体骨折 / 経皮的椎体形成術 / AVAスコア / 学会データベース / 椎体形成術 / 隣接椎体骨折 / データベース / 臨床予測モデル |
研究開始時の研究の概要 |
背骨の骨折(圧迫骨折)に対しては、折れた椎体に医療用セメントを注入して固めて、痛みを取り除く椎体形成術という低侵襲手術が普及しています。ただし、椎体形成術を行った後の除痛効果が高い方とそうではない方がいますし、術後に隣接する椎体が折れてまた痛みが再燃する方もいます。しかし、どのような方は治療効果が高いのか?どのような方だと隣接椎体骨折が起こりやすいのか?はわかっていません。そこで、我々は全国多施設から椎体形成術が施行される方のデータを匿名化して収集するデータベースを構築します。そして、そのデータを解析して椎体形成術を行う場合の「治療効果」や「隣接椎体骨折の発生」を予測する式の開発を目指します。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、多施設前向きデータベースを構築するための準備を中心に行った。具体的には本研究において外的検証を行う臨床予測モデルであるAVAスコアを普及させるための取り組み、および参加施設をリクルートするための学会データベース委員会との連携を行った。
AVAスコアの普及のための取り組みとしては、まず第13回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)において、AVAスコア開発論文(Hijikata et al. Bone Joint J 2022)の概要を論文Awardセッションで講演発表し、論文Awardを受賞した(2023年6月)。続いて所属する日本脊髄外科学会機関誌においてAVAスコアの日本語概要を公開した(土方ら. 脊髄外科 2023)。さらには、AVAスコアの妥当性を有限要素モデルを用いて検証する佐賀大学の研究に共同研究者として参画し、成果が英語誌(Yamaguchi et al. Medicine 2024)に報告された。
学会施設のリクルートに関しては、日本脊髄外科学会の学会データベース委員会(脊椎・外傷)の副委員長に就任し、本研究をデータベース委員を中心に学会全体から参加者を公募する学会協力研究として運営できるよう委員会で提案した。そのために、構築する椎体形成術データベースをもとに解決し得るリサーチ・クエスチョンを、当初予定していた「AVAスコアの外的検証」および「椎体形成術の治療効果に関連する因子の探索」の他に9つ考案し、その検証ために必要なデータの整理を行い、研究プロトコルを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時は、参加施設のリクルートは個人的に関連のある施設を中心に行う予定であり、すでに多くの施設で内諾を得ていた。また、研究で収集するデータの概要も決定していた。しかし、学会データベース委員として活動を開始することになり、日本脊髄外科学会の公的な協力が得られる可能性が高まった。
本研究を学会協力研究として運営することは、研究者自身やデータベース委員、ひいては幅広い学会員の、データベース研究に関する知識と経験の向上に寄与することが期待できる。そこで、本研究を学会協力研究として運営するために、研究参加施設と、本研究で構築するデータベースを用いて解決に取り組むリサーチクエスチョン、そのために収集すべきデータなどの整理を行った。研究の進捗は遅れているが、本研究分野への貢献はより高まったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
完成した研究プロトコルの概要を、2024年6月開催の日本脊髄外科学術集会においてデータベース委員に周知し、委員内での参加施設を決定する。また、学会ホームページに学会協力研究として研究概要の掲載を依頼し、参加施設のリクルートを行う。参加施設が決定し次第、倫理申請を行う。平行して参加者がどのリサーチクエスチョンを担当するかを決定する。研究者は当初予定していた「AVAスコアの外的検証」および「椎体形成術の治療効果に関連する因子の探索」を担当し、他の参加者の研究支援も行う。最終的な研究成果は2026年度の学術集会で公表予定であり、その前後での英語誌への報告を行う。
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