研究課題/領域番号 |
23K15724
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西沢 康平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (50971818)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ロコモティブシンドローム / Timed up and go test / 動作解析 / 加速度 |
研究開始時の研究の概要 |
ロコモティブシンドローム(ロコモ)は運動器機能低下の指標になり、スクリーニングとして有用である。しかしながら、早期においては健常者との判別が難しいことが課題である。慣性計測装置は小型で計測空間に制限がないことから、近年動作解析の手法として用いられている。本研究の目的はロコモとロコモに関連する整形外科疾患を対象にして慣性計測装置を用いてtimed up and go testの動作解析を行い、身体機能低下の早期に生じる変化を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本年度はバランス機能とロコモティブシンドローム(ロコモ)との関連について解析を行った。また、先行研究からロコモは整形外科疾患に起因することが報告されている。そのため、早期の変形性膝関節症(膝OA)の歩行解析を行い、膝関節に関連する痛みや機能低下が歩行中の生体力学的パラメーターに与える影響について検討を行った。 ロコモとバランス機能の関連については慣性計測装置を用いてtimed up and go test(TUG)を計測したデータ、重心動揺計を用いて片脚立位テストを計測したデータを用いて検討した。TUGの動作解析を動的なバランスの評価、片脚立位の重心動揺解析を静的なバランス機能の評価として、ロコモに内在するバランス機能低下を詳細に評価した。解析の結果、ロコモではターンにおける回転速度、片脚立位時の左右動揺が増加することが明らかになった。またこれらのパラメーターに対して主成分分析を行うとバランス機能に関連するパラメーターは3要素に分類された。今回の研究で得られた知見は介入時にそれぞれの要素で異なる改善プログラムが必要であることを示唆した。 膝OAにおける歩行解析では初期膝OAと健常者との歩行パターンの違いを加速度から比較した。解析の結果、同じ歩行スピードで比較した場合においても膝OA群では下腿に生じる3軸加速度がそれぞれ健常者群と比べて低下した。ロコモの動作解析を行う際には整形外科疾患の存在を十分に考慮する必要があり、これらの結果は早期ロコモの推定において考慮する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はロコモのバランス能力に着目した解析を行い、早期ロコモを検出するための知見を得ることができた。またロコモに関連する初期膝OAの解析において一定の成果をあげることができた。一方で整形外科疾患を有さないロコモに対する運動パターンの推定においてはさらなる検討が必要である。とりわけ、TUG中の歩行を評価するために計測手法のについて軽度修正する必要がある。計測方法については検討を行い、来年度被験者の計測を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は特定の整形外科疾患のないロコモを対象にして慣性計測装置を用いて動作解析を行い、早期ロコモと関連のある歩行パラメーターの探索を進めていく予定である。TUG中の連続的に変化する歩行条件での加速度・角速度パターンがロコモと健常者で異なるか比較す。特にターン動作はTUG動作において最も不安定であり、高いバランス機能が求められる。今後はターン動作中における歩行パターンについて詳細に検討する。
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