研究課題/領域番号 |
23K15729
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
江畑 拓 北海道大学, 大学病院, 医員 (00962953)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 細胞老化 / マクロファージ / 軟骨細胞 / 変形性関節症 / 軟骨 / 免疫老化 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症は、中高年患者のADLを著しく低下させ、健康寿命を低下させるが、その詳細な病態機序はまだ明らかではない。本研究では、加齢による関節内の慢性炎症状態が変形性関節症の進行に及ぼす影響を明らかにすることで、変形性関節症の病態解明を進めることを目的とする。関節内のマクロファージの老化現象と軟骨内の主要構成体である軟骨細胞との相互作用を網羅的解析を駆使して解析し、老化マクロファージ刺激軟骨細胞の特異的シグナルを制御することで、軟骨変性を抑制できるか、In vitroおよびin vivoで検討する。
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研究実績の概要 |
高齢者に多い変形性関節症(Osteoarthritis、以下OA)は、要支援・要介護の主要因であるが、OAの進行を抑制することが可能な原因療法は確立していない。OAの原因療法開発にあたり、複雑多岐に渡るOAの病態を明らかにする必要がある。 OAは加齢によって生じる関節疾患であるが、関節内のマクロファージ中には老化マクロファージに類似した形質の存在が指摘されている。OA関節内に存在する老化マクロファージは、軟骨細胞の機能を変化させることで軟骨変性およびOA進行に寄与する可能性があるが、その機能や軟骨変性及びOA進行に及ぼす影響については不明である。老化マクロファージによって生じる軟骨細胞の機能異常を明らかにするため、マウス腹腔由来初代マクロファージおよびRAW264細胞株について、異なる濃度のH2O2やタモキシフェン、ドキソルビシン、エトポシドなどを使用したin vitro老化モデルを開発した。細胞老化の進展の評価にはβガラクトシダーゼ染色を用いた。老化マクロファージとマウス大腿骨頭軟骨から分離した初代軟骨細胞を培養した。また、老化マクロファージのコンディション培地が軟骨に及ぼす影響を、我々の生体外モデルで検討した。その結果、老化マクロファージは軟骨細胞の異化と軟骨変性を促進することが明らかになった。 qRT-PCRで老化マクロファージと共培養した軟骨細胞で異化因子の発現が増加することを明らかにした。また ウェスタンブロットでも同様の結果を確認した。ヒトOA関節内の滑膜組織のマクロファージは老化マーカーであるP21、P16タンパク質を発現していることを免疫染色で明らかにした。我々の結果は、老化マクロファージOAの関節破壊に寄与している可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vitroでの細胞老化モデルおよび、ウエスタンブロッティングやPCRなどでの評価方法をすでに我々は確立しているため。
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今後の研究の推進方策 |
bulk RNA seq解析を用いて、マクロファージが軟骨細胞の異化と軟骨変性を誘導する分子メカニズムを解明する予定である。また、老化マクロファージを膝関節に注入し、軟骨変性におけるマクロファージの病理学的役割について直接的な証拠を得ることも計画している。さらに、変形性関節症の関節(臨床サンプル)から滑膜マクロファージを分離し、その分子プロファイルを解析することも計画している。
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