研究課題/領域番号 |
23K15738
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
片岡 武史 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (80942747)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 人工神経 / Schwann細胞 / スフェロイド |
研究開始時の研究の概要 |
欠損の大きい末梢神経損傷は自家神経移植が行われるが、採取部の犠牲は不可避である。そのため神経再生誘導チューブが開発され利用されているが、2cm以内の感覚神経に適応される。神経再生誘導チューブの再生能の不足を補うため、Schwann細胞を播種したhybrid型人工神経の有用性が報告されている。本研究では細胞が有する機能を十分に発揮させることを目的として3次元培養したSchwann細胞スフェロイドを作成する。また人工神経の運動神経への応用も目指しSchwann細胞スフェロイド神経再生誘導チューブ内に播種することで、末梢神経オルガノイドを現実にする布石となるhybrid型人工神経を作成を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は末梢神経再生における新たな人工神経を開発することである。従来から2次元培養したSchwann細胞を播種したhybrid型人工神経は、神経再生誘導チューブ単独よりも高い有用性が示されてきた。今回は細胞が本来有する機能を十分に発揮させることを目的として、3次元培養したSchwann細胞を用いる。その現実的な方法として細胞塊(細胞スフェロイド)に注目した。末梢神経再生においてSchwann細胞が主役であることは明白であり、再成軸索の足場となるSchwann管形成や、神経栄養因子を発現する。末梢神経再生にスフェロイドを用いた研究はないが、単層培養細胞よりSchwann細胞の機能を強く発揮することは間違いないと思われる。 まずrat Schwann細胞(SciencellTM, CA, USA; catalog #R1700)を用いてスフェロイドの作成を行った。Schwann細胞培養メディウムを用いて培養し、スフェロイドの作成はhanging drop 細胞培養法で行った。低接着試薬がコーティングされたスフェロイド形成培養用容器 (SPHERICAL Plate 5D, Mito, Kyoto, Japan)を用いてscaffoldを用いずにスフェロイド作成した。 作成したSchwann細胞スフェロイドをS-100抗体とDAPIを用いて蛍光免疫染色して蛍光顕微鏡下に観察を行い、スフェロイドの均一性を評価した。 また神経栄養因子発現の評価を現在行っている。作成したスフェロイドの細胞数と同数の2次元培養したSchwann細胞とを比較する。またタンパクをRIPA bufferにて抽出し、ELISAで神経栄養因子(NGF,BDNF,GDNF)の発現を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度はSchwann細胞スフェロイド作成方法の確立を目指していたが、安定してたスフェロイド作成が可能となった。Schwann細胞スフェロイドからの神経栄養因子の発現も認めており、当初の予定通りに進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後in vivoの実験を進めていく。SDラット(12週齢、オス)を用いて、大腿中央で坐骨神経の15mm欠損モデルを作成する。これに神経再生誘導チューブ(リナーブ;、ニプロ)を用いて架橋するが、その際に作成したSchwann細胞スフェロイドをチューブ内に封入する。モデルとしては神経再生誘導チューブのみの群、チューブ内にSchwann細胞スフェロイド封入群、チューブ内にGDNF添加Schwann細胞スフェロイド封入群、切除した神経による自家神経移植群を作成する。行動学的評価、トルイジンブルー染色での軸索数と軸索径測定、免疫組織学的検討、電気生理学的評価を行う予定である。
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