研究課題/領域番号 |
23K15739
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金 英寛 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (30843338)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 仮説検証 / In silico実験 / マルチメカニズム連成数理モデル / 骨粗鬆症治療薬 / 骨代謝 / マルチメカニズム / 数理モデル / in silico 仮説検証 |
研究開始時の研究の概要 |
仮説検証実験は、未知の機構を解明するための重要な役割を果たしてきた。しかしながら、近年、実験技術の躍進やデータ科学の高度化に伴い、複雑な仮説が膨大に創出されつつあるため、実験検証に進むべき有望な仮説を事前に見極めるための手法を確立することは喫緊の課題だ。本研究では、マルチメカニズム数理モデリングに基づいた計算機シミュレーションによって、仮説の有望性を判断可能なin silico仮説検証フレームワークを提案する。さらに、本フレームワークを骨代謝研究領域に適用し、骨粗鬆症診療や整形外科手術において薬剤効果を最大限に発揮するための新たな治療戦略の提案につなげる。
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研究実績の概要 |
骨代謝系をはじめとする複雑な調節系において、仮説検証実験は未知の機構を解明するための強力な手法である。近年、実験技術の躍進やデータ科学の高度化に伴い、複雑な仮説が膨大に創出されつつあり、その中から検証に進むべき有望な仮説を事前に見極めるため手法の確立が求められる。本研究では、マルチメカニズム数理モデリングに基づき、仮説の有望性をin silico実験を通じて判断可能なin silico仮説検証フレームワークを提案することを目的としている。 2023年度は、マルチメカニズム連成数理モデルの構築を行った。これは、骨代謝の既知の知見をもとにマルチメカニズムの連関を表現しながら数理モデルを構築するプロセスである。骨細胞が感知する力学刺激に応じたシグナル伝達により破骨/骨芽細胞の活動が調節される、力学-生化学-細胞のマルチメカニズムをモデル化した。さらに、ビスホスホネート、デノスマブ、テリパラチド、ロモソズマブなどの、骨粗鬆症治療薬投与を、各作用機序をもとにモデル化した。この数理モデルの妥当性検討に使用する形状モデルを作成するため、ブタやマウスの海綿骨のマイクロCT画像からVoxel有限要素モデルを構築した。この形状モデルを用いて、今後すみやかに数理モデルの妥当性を検討する準備が整っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本プロジェクトは、1)数理モデル構築、2)仮説検証実験、3)仮説有望性検討、の各課題を各年において進める計画である。本年度は、1)数理モデル構築は達成されたものの、妥当性の検討までは進められていない。そのため、本研究計画はやや遅れている、に該当すると判断したが、すでに構築済みの形状モデルを用いて、すみやかに妥当性の検討へと進むことができる状態である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、構築した形状モデルを用いて薬剤投与シミュレーションを行い、細胞動態や骨形態計測パラメータについて既知の薬剤効果の表現を試みることで、数理モデルの妥当性検証を行う。妥当性が示されたのち、本数理モデルを用いて、『骨の機能的適応に対する骨粗鬆症治療薬の効果』に関連する仮説検証シミュレーションを実施する予定である。
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