研究課題/領域番号 |
23K15742
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大堀 智毅 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30869920)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 半月板 / 横断裂 / 縫合法 / 接着剤 / 治癒促進 / エクソソーム / 縫合 |
研究開始時の研究の概要 |
半月板損傷を模擬した膝関節モデルにおいて、従来の数本の縫合糸で損傷断端を引き寄せる方法に対する、接着材料を用いて損傷断端を隙間なく圧着させる方法の力学的有効性を検証する。 半月板縫合術(従来法および接着材料使用法)を施行したマウスモデルにおいて、現状用いられている間葉系幹細胞(Mesenchymal Stromal Stem Cell:MSC)に対する、より生物学的活性が高いと考えられるエクソソーム(Exosomes:EVs)等の新規製剤の、術後の治癒促進効果を検証する。
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研究実績の概要 |
半月板損傷を模擬したブタ膝関節モデルを作成し、力学的機能に大きな影響を与える2種類の横断裂(外側半月板中節横断裂および内側半月板後根断裂)に対する、縫合法の最適化のための力学試験を実施した。摘出した半月板のみを試料とし、力学試験機にて引張負荷を与えた際の、縫合に対する断裂部の離開や破断荷重などを比較した試験、および半月板に断裂を加えたブタ膝関節を試料とし、6自由度の関節力学ロボットシステムにて実際に膝関節に荷重を加えた際の、半月板が担う力学的機能の低下や関節キネマティクスへの影響を調べた試験、の2種類にて各種縫合法の検証を行った。縫合法の比較は、臨床で使用されている縫合機器を想定したinside-out法・AIS(all-inside suture)法・pull-out法などの縫合法、さらには新規開発したCFA(circumferencial fiber augmentation)法、を組み合わせた縫合手技を比較した。横断裂に対してはcut-outを防ぐためにgrip sutureが必要であること、縫合断端を引き寄せるには1本ではなく2本、しかも半月板実質内のみを通したAIS法が良いこと、内側半月板後根断裂(MMPRT)に対するpull-out法では、従来考えられているより骨孔を付着部に作製する必要があること、縫合糸の本数を増やしてより面でとらえる必要があること、CFAによる補強は効果的であるが過制動に留意が必要であること、などが解明され、それぞれの断裂に対する縫合法の最適化を達成できた。現在、縫合断面をより面で圧着させ、応力の低減をはかることができる接着剤を添加した縫合での、力学強度試験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
力学試験での検証は従来より行ってきたため、試料の確保や手技の確立、さらにはデータ解析までスムーズに開始できた。
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今後の研究の推進方策 |
力学試験にて横断裂に対する縫合法の最適化を達成できたため、今後は実際にマウスモデルにおいて半月板横断裂を作製し、同手技を用いた縫合術を施行したモデルにおいて、その治癒過程の評価、ならびに間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal Stem Cell)や、新規製剤であるエクソソーム(Exosomes)投与による、治癒状況の改善に関する評価を行っていく方策である。
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