研究課題/領域番号 |
23K15745
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
坂井 達弥 佐賀大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40939477)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 変形性足関節症 / 遠位脛骨斜め骨切り術 / 生体力学研究 / 有限要素解析 / 接触面積 / 接触圧力 / 病態 / 矯正骨切り術 |
研究開始時の研究の概要 |
生体力学的観点から変形性足関節症の病態を明らかにするため、有限要素モデルを用いた基礎的・臨床的病態評価を行い、手術による足関節形態パラメーターの変化と距腿関節や距骨下関節の接触面積、接触圧力分布などの生体力学的環境との関連を明らかにする。これらの病態解析で得られた知見をもとに、CTを用いた骨形態学的・生体力学的シミュレーションにより個々の症例に最適な手術療法選択アルゴリズムを確立する。
|
研究実績の概要 |
実際の足関節に関節応力の集中が起きる立位アライメントを基準とした機能的な骨形態学的・生体力学的解析法を行い、関節内病変の分布・臨床症状との関連を解析することで変形性足関節症の病態を明らかにすることをまず第一の目的とした。 まず計画通りに健常者と変形性足関節症患者の遠位脛骨斜め骨切り術(DTOO)前後の立位足関節X線、CT DICOM dataから荷重肢位を再現した患者固有の3D surface modelを作成し、応力解析ソフトウェア(Mechanical Finder, 計算化学研究センター)を用いて有限要素モデルを作成し、片脚立位を想定した荷重条件における距腿関節の接触面積、接触圧力の分布を算出した。術前・術後と健常者とを比較した結果、DTOOによって距腿関節の距骨側の接触面積は増大し、接触圧力は減少することを認めたが、しかし健常群と同等ではなかった。本研究によってDTOOによる臨床スコアの改善と接触面積や接触圧力の変化が関連する可能性がある。そして今後、変形性足関節症の病態解析や遠位脛骨骨切り術の術前計画・治療効果検証を、有限要素解析を用いた本研究の手法を応用できると考えている。以上について、国内主要学会と国際学会で発表し、英語論文を執筆、オープンアクセスの医学誌に掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多くの健常者、変形性足関節症患者の足関節を有限要素解析を進める予定であったが、脛骨側と距骨側の骨モデルと軟骨モデルの位置関係の調整が難しく、遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
一定数の健常者、変形性足関節症患者の病期の異なる患者ごとの接触応力解析を進める。そして骨切りモデルを作成し、それぞれのモデルで、荷重肢位を基準とした足関節の応力解析を行い、足関節接触圧力が正常範囲内となり、かつ日常生活動作に必要な足関節可動域を満たす矯正の位置を同定することにより、最も距腿関節の生体力学的環境を最適化する脛骨骨切り角度, 開大角度といった矯正アルゴリズムを確立する。 また、人工足関節置換術後のインプラント設置モデルを用いて、各アライメント条件における接触応力の変化を比較し、異なるアライメントがどのように影響を与えるか評価し、傾向やパターンを考察、最適な人工足関節アライメント条件について結論を導く。
|