研究課題/領域番号 |
23K15748
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
神前 拓平 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90838319)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 成人脊柱変形 / 変形性股関節症 / 隣接関節障害 / 有限要素解析 |
研究開始時の研究の概要 |
脊柱変形手術(Long Fusion)を施行される症例は急激に増加しており、2020年には全国で8000例に施行された。Long Fusionは、高齢者脊柱変形症例の難治性腰痛に対して有効な治療法である一方、非生理的な生体力学環境を生み出すため脊椎以外の部位で合併症を引き起こす。Long Fusionにより可動域を失った脊椎、骨盤の代償としてその隣接関節である股関節の負荷の増大が本態であり『隣接関節障害』という新たな疾患概念を提唱した。本研究課題は股関節に働く応力を3次元的に比較することで本病態の予防法を確立し、Long Fusion後の股関節症の発症予防戦略を樹立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
有限要素解析を用いて脊椎骨盤固定術後の股関節に加わる応力を解析した。結果として強固な骨盤固定を施行すると股関節への応力が増加し、弱い骨盤固定や骨盤固定を回避すると股関節への応力集中を回避することができた。これを英文紙に投稿しアクセプトされた。これ用いて脊椎骨盤固定術後の変形性股関節が隣接関節障害であるという新たな疾患を提唱することができた。 しかしながら一方で、本病態はいまだ予防法が確立していないため喫緊の課題となっている。われわれの研究結果によれば脊椎骨盤固定術後の変形性股関節の進行率は13%であり、新規発生率は11%であった。これは脊椎固定術後の隣接椎間障害という椎間板変性や局所後弯を呈する同様の病態とほぼ同等程度の発生率であったことからも成人脊柱変形手術後の見逃すことができない合併症の一つとしてとらえるべきである。 日常で立ち上がりや歩行動作は、静的なX線画像には反映されないことから、骨盤固定が股関節にどのように影響するかの動態評価(生体力学的解析)によりLong Fusion後の股関節症の発生メカニズムの解明を行ってきた。その中で一般的な歩行動作よりもより深い股関節の屈曲が必要とされる座位姿勢からの立ち上がりや階段昇降において股関節により負荷がかかっていることを明らかにした。今後は動作解析を用いて股関節の応力が低下するような立ち上がり方を提唱し、予防法を確立したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定を超えて英文報告ができたため
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今後の研究の推進方策 |
動作解析を用いて予防法を模索したいと考えている
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