研究課題
若手研究
嚢胞性腎疾患は尿細管上皮細胞の異常な増殖、極性異常により尿細管が嚢胞を形成する。嚢胞形成のメカニズムには未だ不明なことが多い。研究代表者は独自の培養系を構築し、流体刺激を受けた尿細管上皮細胞では極性の乱れ、増殖亢進、上皮間葉転換が生じることを見出した。線維芽細胞と共培養した場合、流体刺激に起因する尿細管上皮細胞の病的挙動は軽減し、細胞極性が保たれた。以上の知見より、異常な流体刺激は嚢胞形成の原因となり、線維芽細胞は尿細管上皮細胞の病的挙動を抑制するとの着想を得た。本研究は独自の培養モデルを用いて流体刺激と細胞間相互作用が尿細管上皮細胞の嚢胞形成に関わる因子の同定に挑戦する。