研究課題/領域番号 |
23K15777
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
山岸 敦史 山形大学, 医学部, 助教 (70571678)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フェロトーシス / LAT1 / 腎癌 / アミノ酸トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
有転移腎癌治療の中心は免疫チェックポイント阻害剤であるが、その効果が不十分な患者も多い。他癌種では免疫チェックポイント阻害剤の効果を高めるため抗がん剤や放射線治療など癌細胞の細胞死誘導と免疫チェックポイント阻害剤を併用する方法が一定の効果を示しているが、ccRCCは直接的に細胞障害性を示す薬剤は少ない。近年、アミノ酸トランスポーターであるxCT阻害がフェロトーシスというプログラムされた細胞死の一形態を誘導することが注目されているが、腎癌でも誘発されやすいとされている。我々は、別のアミノ酸トランスポーターLAT1とフェロトーシスの関係に着目し、研究を行う。
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研究実績の概要 |
腎細胞癌の薬物治療は免疫チェックポイント阻害剤と血管内皮細胞を標的とした薬剤であり、腎癌細胞に直接効果を示す細胞障害性の薬剤は臨床応用されていない。他癌種においては、細胞障害性の薬剤を免疫チェックポイント阻害剤と併用することにより、その効果を高める治療が開発され臨床応用されており、腎癌においても直接的に細胞障害を引き起こす薬剤の開発が求められている。 我々は、mTOR阻害剤耐性腎癌細胞株を樹立し、解析したところ、アミノ酸トランスポーターLAT1が非耐性株に比較し発現上昇していることを突き止めた。そこで、LAT1阻害がmTOR阻害剤耐性化解除に係わる可能性に着目し研究を行ってきたが、LAT1阻害剤がmTOR阻害剤耐性解除に関与する事実は認めなかった。しかし、mTOR阻害剤がフェロトーシスに関与しているという報告に着目し、フェロトーシス誘導を引き起こすことが知られているxCT受容体阻害剤エラスチンと併用することにより、エラスチンの効果が増強するか検討したところ、MTSアッセイにより細胞数が減少することを確認した。そのためLAT1阻害がxCT受容体阻害によるフェロトーシスの迂回経路となり、フェロトーシス阻害的に働く、という仮説をたて、LAT1阻害、フェロトーシス誘導剤の併用によりフェロトーシスを効率的に誘導できるか、検討している。 本検討で直接的な腎癌細胞障害が認められれば、免疫チェックポイント阻害剤との併用研究への応用についても検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
LAT1阻害がエラスチンの効果を増強することから、LAT1阻害がフェロトーシスを促進すると考え種々検討を行っているが、現状、フェロトーシスを促進するという他の証拠が捉えられていない状況。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらにmTOR阻害剤との併用など、LAT1とフェロトーシスの関連を増強させられる方法があるか検討していく予定
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