研究課題/領域番号 |
23K15787
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松隈 祐太 九州大学, 大学病院, 助教 (30726592)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腎移植 / 間質障害 / 尿中バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
移植後の腎機能障害の原因診断に移植腎生検は有用である。その一方で、侵襲性があるため、繰り返しの施行に限界があり、代替的な評価方法の確立は喫緊の課題である。新規尿中バイオマーカー及び尿中エクソソームを用いたリキッドバイオプシーは非侵襲的で、今後の臨床応用が期待されている。本研究では、 ①新規尿中バイオマーカー及び尿中エクソソームを用いたリキッドバイオプシーと、移植腎生検所見との横断的な関係を評価し、潜在的な組織障害との関連を評価する。 ②さらに腎予後との関係を評価し、臨床所見に新規マーカーを組み込んだ予測モデルの作成を行い、予後予測能が改善するかを評価する。
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研究実績の概要 |
本研究の主目的は、腎移植患者において、①新規尿中バイオマーカー用いたリキッドバイオプシーと、移植腎生検所見との横断的な関係を評価し、潜在的な組織障害との関連を評価することと、さらに腎予後との関係を評価し、臨床所見に新規マーカーを組み込んだ予測モデルの作成を行い、予後予測能が改善するかを評価することである。 まずこの1年間の研究の成果により、尿中バイオマーカーとして、尿中ヒトL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)、Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin(NGAL)が腎尿細管の間質障害と関係することが確認されたが、その特異性については、まだまだ症例数が少なく、感度・特異度までは十分に評価はできていない。非瘢痕部位の炎症細胞浸潤をきたすような急性の間質障害での上昇が想定される。 また、この間質障害マーカーが上昇すると想定される慢性活動性T細胞関連拒絶について、非瘢痕部位の炎症細胞浸潤が予後に関係することが確認できた。 また、当院では当院は年間60-80例の腎移植を施行しており、基本的に全患者が移植後3か月後及び12か月後に定期生検を受ける。2年間で120-160名、のべ240-320例の腎生検を目標としているが、腎移植、移植腎生検は順調に施行されている。 以上のことから、非瘢痕部位の炎症細胞浸潤で上昇するような間質障害マーカーとの横断的な研究を今後進め、さらに間質障害マーカーが慢性活動性T細胞関連拒絶の予後予測に使用できるかを今後検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
尿中バイオマーカーとして、尿中ヒトL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)、Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin(NGAL)が腎尿細管の間質障害と関係することが確認され、今後症例数を増やし、関係性をより強固に確認する予定である。 2年間で120-160名、のべ240-320例の腎移植、移植腎生検は順調に施行されている。 また、この間質障害マーカーが上昇すると想定される慢性活動性T細胞関連拒絶について、非瘢痕部位の炎症細胞浸潤が予後に関係することが確認できており、今後これらとの横断的な解析と予後予測モデルへ組み込み評価することで、尿中マーカーと予後予測の確立、そして予測モデルの作成へつなげていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
間質障害マーカーとして、 尿中ヒトL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)、Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin(NGAL)が腎尿細管の間質障害と関係することが確認され、今後症例数を増やし、関係性をより強固に確認する予定である。また、慢性活動性T細胞関連拒絶について、今後これらとの横断的な解析と予後予測モデルへ組み込み評価することで、尿中マーカーと予後予測の確立、そして予測モデルの作成へつなげていく予定である。
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