研究課題/領域番号 |
23K15794
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小林 拓郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (60962678)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 前立腺癌 / ゲノム不安定性 / Y染色体モザイクロス / メンデル無作為化 / 前立腺がん |
研究開始時の研究の概要 |
健康寿命延伸のため、生体老化の指標の探索が盛んに行われている。その中で研究代表者は、男性のゲノム不安定性を反映している「Y染色体モザイクロス(mosaic loss of the chromosome Y; mLOY)」に注目し、前立腺がん患者は他のがん患者よりも有病率が多い可能性を発見した。 そこで、「なぜ、前立腺がん患者は他のがん患者よりY染色体が失われやすいのか?」を解明することを目的に、前立腺がん患者のmLOYのモニタリングを実施する。本研究で得られた成果により、ゲノム不安定性の定量化、加齢関連疾患の予防と個別化医療の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでの研究で、mLOYと前立腺がんリスクとの関連が指摘されているが、因果関係は完全には確立されていない。そこで、前立腺がんに対するmLOYの因果関係を明らかにするため、2つの祖先グループを対象にメンデルランダム化(MR)研究を行った。ヨーロッパと東アジアの前立腺がんのGWASにおいて、それぞれ125個と42個のmLOYに関連するバリアントを instrumental variables (IV)として利用した。前立腺がんに関する要約レベルのデータは、PRACTICALコンソーシアム(欧州系祖先の症例79,148例、対照61,106例)およびBiobank jaoanコンソーシアム(東アジア系祖先の症例5,408例、対照103,939例)から得た。東アジアの祖先における因果関係を評価するために、単一の集団が用いられた。 IVW法を用いたMR解析の結果、PRACTICALコンソーシアムでは、遺伝学的に予測されるmLOYが1単位増加すると前立腺がんリスクが増加することが示されたが(OR = 1.09%、95%CI:1.05-1.13、p = 1.2×10-5)、Biobank Japanコンソーシアムでは示されなかった(OR = 1.13%、95%CI:0.88-1.45、p = 0.34)。感度分析により、PRACTICALコンソーシアムでは、遺伝学的に予測されるmLOYが1単位増加するごとに前立腺がんのオッズ比が増加することが示された。さらに、mLOYは両者のメタアナリシスにおいて前立腺がんリスクと関連していた(OR = 1.09%、95%CI:1.05-1.13、p = 8.0 × 10-6)。 結論 われわれのMR研究は、mLOYが高いと前立腺がんのリスクが増加するという強力な証拠を提供した。mLOYを予防することは、前立腺がんの発症リスクを低下させる手段となりうる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究者は約200名の前立腺癌患者を対象にdPCRによるLOY(%)の測定を行った。WGSでえられたLOY(%)とdPCRでえられたLOY(%)で相関をとれていることを確認し、dPCRによる測定技術の構築の観点から概ね研究は順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
治療前後や生活様式の変化によるmLOYダイナミクスを解明する。scRNAseqなども利用し、どの細胞でmLOYが生じやすいかの探索も行う。mLOYとテロメア、その他Hallmarks of Agingとの関連も探索し、老化の解明に邁進する。
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