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子宮癌肉腫における上皮間葉転換による免疫多様性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15811
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関京都大学

研究代表者

滝 真奈  京都大学, 医学研究科, 助教 (20898077)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード子宮癌肉腫 / 上皮間葉転換 / 抗腫瘍免疫
研究開始時の研究の概要

子宮癌肉腫は、上皮性の癌腫と非上皮性(間葉系)の肉腫が混在した、「腫瘍の不均一性」を呈する稀少かつ化学療法抵抗性で予後不良な子宮体部腫瘍である。近年のゲノム解析にて癌腫と肉腫が単クローンから発生し、肉腫への分化には遺伝子変異はほとんど関与せず、上皮間葉転換が関与することが示唆された。申請者はこれまでに、上皮間葉転換による免疫抑制機構の研究を行っており、子宮癌肉腫における「免疫学的不均一性」の存在に注目した。
本研究では、子宮癌肉腫において上皮間葉転換による免疫抑制のメカニズムを解明し、新たな免疫治療戦略を確立することを目的とする。

研究実績の概要

①臨床サンプルにおいて、癌肉腫組織での免疫細胞の空間的分布を把握するために、当科の子宮癌肉腫1999年~2023年度の症例を集積し、癌腫・肉腫およびCD8陽性T細胞、CD20陽性B細胞、CD33陽性MDSCおよびCD206陽性マクロファージの分布に関して検討した。肉腫でCD206陽性マクロファージが有意に多く、またそのような特徴が顕著な症例では1期と早期であるにも関わらず、1年以内に死亡に至ることが多かった。さらに上皮間葉転換の関連遺伝子であるSPARCの免疫染色を行い、肉腫部分において強発現していることが分かった。
今後症例数を増やして検討を詳細に行うために、岩手医大・近畿大学産婦人科に協力を仰ぎ、現在症例を集積している。
②マウスモデルの作成
マウス由来癌肉腫細胞株を用いてSPARC過剰発現および発現低下細胞株を作成した。SPARC過剰発現細胞株では、SPARCの発現に伴い、EMT転写因子であるSnailおよびzeb1が発現増加しており、SPARC自体がEMT転写因子の上流にいることが分かった。さらに腫瘍増生実験を施行したが、マウス腫瘍自体が免疫正常マウスモデルでは腫瘍発育が乏しく、再現性を確認するものの困難な状況であった。そのため、別のp53異常発現子宮体癌細胞株を用いてSPARCの発現低下細胞株を作成し、マウス腫瘍増生がSPARC発現低下にともない抑制されることを確認した。現在再現性の確認を行っている。
日本産婦人科学会にて研究の途中経過を報告しており、今後日本癌学会でも報告予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①岩手医大および近畿大学産婦人科から症例を集積するため、当大学の医の倫理委員会申請を行った。その申請が許可されるまで数か月を要しており、時間がかかった要因の一つである。
②マウス由来子宮癌肉腫細胞株を皮下投与したマウス腫瘍モデルによる腫瘍増生実験を複数回施行した。しかしコントロールのマウス腫瘍の増生のばらつきがあり、再現性の確保が困難であった。そのため、別のマウス腫瘍細胞株を用いて同様の実験を行っており、再現性などマウス腫瘍増生実験が完了するまで時間を有した。

今後の研究の推進方策

マウス腫瘍増生実験が確立したのち、腫瘍の免疫状態の検討を行う。さらにマウス細胞株でSPARC発現過剰細胞株および発現低下細胞株の両者をRNAseqに提出し、SPARC発現に伴いどのような因子の発現が変化しているかを検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effects of epithelial-mesenchymal transition on tumor immune microenvironment in uterine carcinosarcoma2023

    • 著者名/発表者名
      岡本 葉留子
    • 学会等名
      第76回日本産婦人科学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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