研究課題/領域番号 |
23K15812
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三瀬 有香 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00973760)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 子宮体癌 / PARP阻害剤 / 抗腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮体癌のうちp53変異のある高リスク症例は悪性度が高く予後不良であり、従来の化学療法の効果が乏しく、治療選択に難渋する。近年p53変異のある症例では相同組み換え修復欠損(homologous recombination deficiency: HRD)を有していることが報告された。これにより、p53変異の難治性子宮体癌に対しPARP阻害剤が有効である可能性が示唆された。 本研究では難治性子宮体癌のマウス免疫モデルを用いて、PARP阻害剤が腫瘍免疫微小環境に与える影響を評価し、有効な併用免疫治療の探索を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、難治性子宮体癌におけるPARP阻害剤での抗腫瘍免疫を検討した。子宮体癌に対し従来の化学療法であるTC療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン併用療法)に免疫チェックポイント阻害剤とPARP阻害剤を使用する第3相臨床試験が現在行われており、中間報告にてPARP阻害剤の有用性が示されている。しかしPARP阻害剤自体が免疫チェックポイント阻害剤の効果にどのような影響を及ぼすか、併用することで起こりうるメカニズムに関して一切言及されていない。今回、私たちは難治性子宮体癌に対しPARP阻害剤がどのように腫瘍免疫環境に影響を与えるか、マウスモデルを用いて検証した。 免疫正常マウスを用いて同所性のマウス腫瘍モデルを作成し、実際にPARP阻害剤を投与し、腫瘍増生を確認した。同所性マウスモデルでは、子宮内以外に腹膜播種を作った。皮下腫瘍モデルではPARP阻害剤の効果はやや縮小を認めるものの有意差にかけていた。しかし同所性モデルでは、day14ではPARP阻害剤の効果を認め、子宮内腫瘍自体は抑制されないものの、腹膜播種は治療群でほとんど認めなかった。しかしさらにday21まで治療を継続したところ、コントロール群と治療群で腫瘍増生に差は認めなかった。以上のことから、PARP阻害剤は一時的に治療効果を認めるものの、その後抵抗性を獲得することが分かった。 上記からday14の治療効果を呈する段階とday21の治療効果を消失した段階の2点においてコントロール群および治療群のマウス腫瘍をサンプリングし、RNAseqを施行した。現在そのRNAseqを解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初皮下腫瘍モデルを用いて検証を行っていたが、皮下腫瘍モデルではマウス腫瘍の石灰化が強く、免疫状態を検索するにはサンプルとして不適格であった。そのため同所性マウスモデルに切り替え、石灰化が生じるタイミングの前にサンプリングすることが可能になるまで検証を行った結果、時間を有した。
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今後の研究の推進方策 |
RNAseqのデータから、治療効果を呈した状況から効果を逸した状況までの間に遺伝子発現の変化を検討する。
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