研究課題/領域番号 |
23K15813
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北村 幸子 京都大学, 医学研究科, 助教 (10846140)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / コピー数増幅 / 染色体17番長腕 / 低酸素関連遺伝子 / ミトコンドリア / 遺伝子増幅 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではOCCCの再発に寄与する領域としてchr17長腕の遺伝子増幅に着目した。同部位や、他の部位の遺伝子増幅の影響が、癌化や治療抵抗性、EMTを介した転移播種にどのように寄与するかを、卵巣癌細胞株や臨床検体から得られたゼノグラフトモデルで、確認する. 本研究によりOCCCの悪性度に関連する遺伝子増幅・欠失を同定し、それらが影響を及ぼすエピゲノムな変化を明らかにすることを目的とする。難治性であるOCCCを克服すべく、遺伝子増幅・欠失に着目して、その分子生物学的機序から治療標的を探索することを目的とする。
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研究実績の概要 |
難治性卵巣明細胞癌ovarian clear cell carcinoma(OCCC)のエクソームシークエンス解析から再発に寄与する遺伝子増幅領域chr17q21-24を同定し、この領域に含まれるPDK2に着目して、ミトコンドリア活性とプラチナ抵抗性を克服する基礎研究を行い報告してきた。chr17q21-24増幅のOCCC症例は増幅していない症例に比べ、変動遺伝子発現解析結果によりミトコンドリア活性や、低酸素関連遺伝子HIFsignaling経路が亢進していることを確認し、まずHIFを標的とした治療開発を試みた。 OCCCでHIF1αとHIF2αの免疫組織化学染色を行い、HIF1αとHIF2αの核内での蛋白発現が高いOCCCはいずれも、有意に予後不良であった。本年度はchr17q21-24増幅を有するOCCCのヒト癌細胞株RMG1を用いてHIF2a阻害薬によるマウスに移植し形成された腫瘍に腫瘍増殖を抑制することを確認している。shHIF2aの作成を行い同様の傾向であることを確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた計画は概ね順調である
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今後の研究の推進方策 |
chr17q21-24増幅OCCCのHIF2αを標的とした治療効果をもたらすメカニズムをミトコンドリア活性との関連を調査する予定である。 またOCCCのエクソームシークエンスとRNAシークエンスのペア21症例でChr17q12-24の増幅のリード数と相関する遺伝子発現を調べ、正に相関する遺伝子群を調べるとTGFbeta1(r=0.65)および免疫反応に関連する遺伝子群が多く含まれており、OCCCにおける炎症と免疫細胞の局在と予後不良に関連する因子を明らからにするため、空間的トランスクリプトーム解析を行いたいと考えている。免疫細胞の宿主に負の環境を抗腫瘍効果をもたらす宿主の免疫活性をもたらす環境に変化させることを目的としている。
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