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RNA編集における子宮内膜症の新規診断・治療の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K15815
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

樫野 千明  岡山大学, 大学病院, 助教 (70973527)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード子宮内膜症 / RNA編集
研究開始時の研究の概要

子宮内膜症は生殖年齢女性の6-10%に認められるエストロゲン依存性の疾患である.月経困難症,骨盤痛,排便痛,性交痛,不妊症などの症状を呈するが,子宮内膜症の病態について未だ不明な点が多い.我々は遺伝子解析を鋭意遂行してきたが,ゲノム変異情報だけによるPrecision Medicineには限界があり,より細やかなPersonalized Medicineへ繋ぐためにはゲノム変異だけではない新規解析戦略が必要である.そこで今回,RNA転写後塩基の修飾「RNA編集」に着目し,子宮内膜症におけるRNA編集の意義を解析するとともに,これをターゲットとした新しい子宮内膜症診断・治療戦略の確立をこの研究で目指している.

研究実績の概要

子宮内膜症の病態は不明な点か多く,ゲノム変異情報でのPrecision Medicineは限界があり,より細やかなPersonalized Medicineへ繋ぐため新規解析戦略が必要であり,RNA転写後塩基修飾のRNA編集に着目した.子宮内膜症でのRNA編集の意義を解析し,これをターゲットとした診断・治療の確立を目指している.まず,子宮内膜症・非子宮内膜症患者の検体を用いて,RNA編集のADAR1発現をPCRにて検討した.子宮内膜症検体は非子宮内膜症検体と比較し,ADRA1は有意に高発現し,またIL-1β,IL-6,IL-8の発現と有意に相関し,子宮内膜症と正の相関があることが分かった.また12Z不死化ヒト子宮内膜症細胞株(12Z細胞株)を用い,エストロゲン(E2)を添加するとADAR1,IL-1β,IL-6,IL-8の発現が有意に増加し,E2はRNA編集(ADAR1)を増加させる因子の1つであることが証明された.ADAR1 siRNAを12Z細胞株に一過性にトランスフェクションし,ADAR1ノックダウンによりMDA5発現が増加した.また,MDA5の下流にあるIRF3,IRF7,RIG-Iの発現が増加,さらにカスパーゼ3,7,8の発現が増加した.このことから,ADAR1抑制によりdsRNAシグナル伝達経路が活性化され,MDA5,RIG-I,カスパーゼ3,カスパーゼ7,カスパーゼ8といったアポトーシス因子の発現が増加することが示唆された.以上より,子宮内膜症患者では非子宮内膜症患者よりもADAR1の発現が高く,またADAR1発現はE2依存性と強く関連した.ADAR1発現は,子宮内膜症を伴うIL-1β,IL-6,IL-8のサイトカインと有意に相関した.ADAR1はdsRNAセンサー(MDA5,RIG-I)を介してI型IFN経路を活性し,アポトーシスを引き起こすことが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り進展しているため。

今後の研究の推進方策

子宮内膜症におけるRNA編集とエストロゲン,プロゲステロンレセプターの関連の検討をRT-PCR等を用いて検討する.また,子宮内膜症の関連について,ADAR1におけるRNA編集に加えて,APOBECによる子宮内膜症との関連も同時に検討し,RNA編集が子宮内膜症に与える影響を検討するとともに,マウスを用いた研究も行う予定である.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Adenosine Deaminase Family Acting on RNA 1 (ADAR1) May Be a De Novo Target for Endometriosis Treatment2024

    • 著者名/発表者名
      VU THUY HA、NAKAMURA KEIICHIRO、SHIGEYASU KUNITOSHI、KUBO KOTARO、KASHINO CHIAKI、MASUYAMA HISASHI
    • 雑誌名

      In Vivo

      巻: 38 号: 2 ページ: 683-690

    • DOI

      10.21873/invivo.13489

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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