研究課題/領域番号 |
23K15821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
加藤 雅也 順天堂大学, 医学部, 助教 (40899952)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 卵巣癌 / ホルモン依存性 / 悪性転化 / バイオマーカー / メチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣子宮内膜症性嚢胞は卵巣癌の発生母地になりうる。この悪性転化リスクは、年齢とともに、また嚢胞径の増大とともに上昇する。しかし予防的卵巣摘出は卵巣癌予防に寄与しても、女性の全原因による死亡率は増加させる。このため、現行のガイドラインでは低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬やジエノゲストなど長期投与可能薬剤を用いた保存的管理が第一選択となる。これらのホルモン療法は、エストロゲン低値維持による嚢胞縮小と炎症性サイトカイン抑制による悪性転化リスク低減を期待するものであるが、非常に稀ではあるがホルモン療法中の悪性転化症例も散見される。本研究ではホルモン依存性悪性転化に関連する因子の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究で対象とする卵巣癌は、背景に卵巣子宮内膜症を有する。その発癌機序として、卵巣子宮内膜症が発生母地となる可能性が示唆されている。そこで内膜症と卵巣癌の関連性をメチル化に着目し検証した。卵巣と子宮に同時に腫瘍を有する症例において、転移性癌と重複癌におけるそれぞれのメチル化パターンを検証した。 この結果、重複癌に対し、転移性癌では同じ腫瘍を母体とするため高い類似性を認めた。さらに卵巣腫瘍背景に子宮内膜症病変が存在する症例では、転移性癌であっても予後は比較的良好でかつ高いクローン性を有していた。この結果から、卵巣内の異所性子宮内膜の存在が卵巣癌の発生母地となった可能性が示唆され、異所性内膜を起源とした卵巣癌であれば、子宮内膜と類似したメチル化パターンが検出される可能性が示唆された。 以上の結果から、研究開始時に想定していた血液を用いた発癌リスクマーカーの検出に加えて、子宮内膜組織を用いた卵巣癌発癌リスク評価を追加検証項目として設定した。 そこで卵巣癌検体と子宮内膜検体のペア検体の収集を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
卵巣癌と子宮体癌のメチル化パターンを比較し、卵巣癌の発癌母地としての異所性内膜の可能性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
内膜症を背景に有する卵巣癌検体と子宮内膜検体のペア検体を用いて、メチル化パターンの類似性を検証する。 また、癌を伴わない卵巣子宮内膜症において、ホルモン治療群と未治療群で同様の発現プロファイルの変化が生じるかを追加検証し、真に発癌に関連する遺伝子発現のパターンを検証する。
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