研究課題/領域番号 |
23K15823
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
鷹野 真由実 東邦大学, 医学部, 助教 (10745376)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 羊水NT-proBNP / 臍帯血NT-proBNP / 一絨毛膜双胎 / 胎児心不全 / 羊水 / NT-proBNP |
研究開始時の研究の概要 |
一絨毛膜(monochorionic: MC)双胎は胎児心不全を高率に合併し,心不全を呈した場合は周産期死亡に至る可能性が高い。しかし,MC双胎の胎児心不全の病態は解明されておらず,生化学バイオマーカーを用いた検討もなされていない。 本研究では,MC双胎において羊水中ナトリウム利尿ペプチドを測定し,MC双胎独自の基準値を作成すること,超音波検査所見や予後との関連性を調べ,羊水中ナトリウム利尿ペプチドの心不全の病態解析への有用性を検討することを目的とする。本研究の成果は,胎児心不全の病態生理学的考察ならびにMC双胎の周産期予後改善に寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
一絨毛膜双胎における胎児心不全の病態解析を目的とし,羊水中ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)の測定および所見や予後との検討を行った。まず,羊水中のNT-proBNPが臍帯血のNT-proBNPをいかに反映するか解明されていないため,まず一絨毛膜双胎の羊水中と臍帯血中のNT-proBNPの相関を検討した。結果,一絨毛膜双胎では,羊水NT-proBNP(r=0.654, p<0.001)と羊水NT-proBNP/羊水総蛋白濃度(r=0.601, p<0.001)は臍帯血のNT-proBNP濃度と有意な正の相関を示し,羊水NT-proBNP濃度が臍帯血NT-proBNP濃度を反映することが明らかとなった。また,それは正常一絨毛膜双胎,および胎盤吻合血管凝固後の一絨毛膜双胎でも同様の結果が得られることが分かった。この研究成果に関して,第76回日本産科婦人科学会学術講演会にて報告した。羊水NT-proBNPが臍帯血NT-proBNPを反映することが分かったため,今後はより侵襲性が低く,妊娠中も採取可能な羊水検体を用いてNT-proBNPの検討を行うことが可能と考えられた。 また,正常一絨毛膜双胎と胎児心不全を呈する一絨毛膜双胎において,羊水NT-proBNPを測定し,妊娠週数毎の参照値の作成および胎児心不全を呈した場合の羊水中のバイオマーカーの比較検討を行うため,羊水試料およびデータの集積を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
羊水試料の採取を継続しているものの,既存のデータの評価・検討は行えており,学会発表も行っているため,概ね順調に進展していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,一絨毛膜双胎の羊水試料の増加を目指し,試料・データの蓄積を継続し,統計解析や国内学会・国際学会で成果が報告できるよう進めていく。
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