研究課題/領域番号 |
23K15831
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
三浦 詩織 新潟大学, 研究統括機構, 特任助教 (30833264)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 卵巣移植 / 脱細胞化組織 / 卵巣異種移植 / Decellularization / マーモセット |
研究開始時の研究の概要 |
女性疾患の患者の卵巣凍結と移植は妊孕性温存のための唯一の手段である。凍結卵巣の免疫不全マウスへの異種移植は、患者に対する負担や、がん細胞の再播種のリスクを回避する新たな手法として注目されている。しかし、移植後に卵巣組織の損傷と原始卵胞の大量喪失が起こるため、異種移植の遠隔成績は極めて低い。生着不良の原因である移植組織の虚血障害と免疫反応を克服する手段として、申請者は脱細胞化組織に着目した。本研究では、脱細胞化組織を用いた卵巣異種移植法の確立により、移植組織の生着および機能回復を促進する。移植後早期に血流を再開し、拒絶反応を低減することで、卵巣異種移植成績の飛躍的な改善を目指す。
|
研究実績の概要 |
女性疾患の患者の卵巣凍結と移植は妊孕性温存のための唯一の手段である。凍結卵巣の保存および移植後の生着効率を向上させることを目的として、凍結卵巣の免疫不全マウスへの異種移植が行われており、患者に対する負担や、がん細胞の再播種のリスクを回避する新たな妊孕性温存の治療法として注目されている。しかし、移植後に、卵巣組織の損傷と原始卵胞の大量喪失が起こるため、異種移植の遠隔成績は極めて低い。 申請者らはこれまで、マーモセット卵巣のマウスへの異種移植実験を実施してきている。すなわち、卵巣を除去したヌードマウスの腎被膜下にマーモセットの卵巣を異種移植し、ヌードマウスの性周期の再開や卵巣切片の生着、卵胞の発育を確認したほか、卵胞から採取した卵子による体外受精および胚発生に成功している。本研究では、移植成績を改善する手段として、脱細胞化組織 (Decellularized Tissue; DT)に着目した。移植組織の生着と機能回復に必要な「複雑な脈管構造」と「免疫防御機能」を持ち合わせているDTを卵巣異種移植に応用することで、移植組織の虚血障害と免疫反応による生着不良を克服し、移植組織の生着および機能回復の促進を目指す。 令和5年度はブタ卵巣を用いて脱細胞化の実験プロトコルの最適化をすすめている。化学的方法による脱細胞化を行い、含有DNA量の測定や組織学的評価を実施している。 ヌードマウスへの卵巣の異種移植については、入手数が少ないマーモセット卵巣の代替としてブタ卵巣を用いて移植条件を検討中である。 また、卵巣異種移植の現状を調査し、その結果および実施した研究成果を第26回日本異種移植研究会にて発表し、優秀演題賞を受賞した(演題名「マーモセット卵子をマウス体内で作る~卵巣異種移植の現状と課題~」)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は海外における研究滞在等のため、予定より実験が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
海外における研究滞在等のため、補助事業期間の一年間延長の承認を受けており、予定している以下の実験を次年度以降進めていく予定である。延長による変更点は研究実施時期のみであり、研究内容に変更はない。 【研究課題①】ブタ卵巣DTの作製(変更前:1~2年目、変更後:1~3年目) 【研究課題②】カプセル化卵巣の作製(変更前:1~2年目、変更後:2~3年目) 【研究課題③】カプセル化卵巣の異種移植(変更前:2~3年目、変更後:3~4年目)
|