研究課題
若手研究
女性疾患の患者の卵巣凍結と移植は妊孕性温存のための唯一の手段である。凍結卵巣の免疫不全マウスへの異種移植は、患者に対する負担や、がん細胞の再播種のリスクを回避する新たな手法として注目されている。しかし、移植後に卵巣組織の損傷と原始卵胞の大量喪失が起こるため、異種移植の遠隔成績は極めて低い。生着不良の原因である移植組織の虚血障害と免疫反応を克服する手段として、申請者は脱細胞化組織に着目した。本研究では、脱細胞化組織を用いた卵巣異種移植法の確立により、移植組織の生着および機能回復を促進する。移植後早期に血流を再開し、拒絶反応を低減することで、卵巣異種移植成績の飛躍的な改善を目指す。