研究課題/領域番号 |
23K15855
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浜田 誠二郎 北海道大学, 大学病院, 医員 (20829436)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | SLFN11 / CDDP-RT / 頭頸部扁平上皮癌 / シスプラチン併用根治的化学放射線療法 / HPV関連がん |
研究開始時の研究の概要 |
1. 免疫組織化学染色法にて頭頸部がん症例の腫瘍検体のSLFN11発現量を測定し、臨床病理学的データとの関連を検討する。また、SLFN11発現の陽性閾値を設定して、CDDP-RTを実施予定の頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした前向き試験を実施する。 2. HPV陽性とHPV陰性の頭頸部扁平上皮癌細胞株を用いた実験を行う 3. 先行研究で確認したシスプラチン感受性の低い頭頸部扁平上皮癌細胞株(SCC-9、SCC-25)にSLFN11遺伝子を導入し、薬剤感受性試験を行ってシスプラチンの感受性が亢進するか評価する。
|
研究実績の概要 |
本年度(2023年度)は、頭頸部扁平上皮癌におけるシスプラチンを用いた化学放射線療法の効果予測因子としてのSLFN11 の有用性の検証を進めた。すなわち先行研究では、北海道大学病院耳鼻咽喉科において2008年1月から2019年12月までにシスプラチンを用いた化学放射線療法(cisplatin-based chemoradiotherapy, CDDP-CRT)が施行された頭頸部扁平上皮癌患者161症例(上顎洞癌、p16陽性中咽頭癌、p16陰性中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌)の全161症例を解析対象としたが、今回、さらに2020年1月から2021年12月までの上顎洞癌の動注CDDP-CRT症例を、また、2008年1月から2021年12月までの上咽頭癌の静注CDDP-CRT症例を追加して、免疫組織化学染色法を用いて腫瘍検体のSLFN11発現量を測定し、臨床病理学的データとの関連を検討している。また、病理組織学的分化度や既知の腫瘍マーカー(Ki-67、p53)との関連も検討している。これらタンパク質発現量の情報と、年齢、性別、疾患名、臨床病期、治療内容、治療効果、転帰などを集積し、全生存率や無増悪生存率の評価を行っている。詳細な解析に関しては現在進行中であり、追って報告させていただきたい。また、これまでの生検組織の検討では、SLFN11発現の腫瘍内不均一性の関与がはっきりしなかったため、今回、腫瘍量の大きい舌癌の手術検体と術前生検組織を用いて、免疫組織化学染色法によりSLFN11の発現を解析し、手術検体におけるの腫瘍内不均一性の有無、ならびに手術検体と術前生検組織のSLFN11発現スコアにどの程度の差異が見られるのかの検討するため、標本作成の準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実績計画の ①頭頸部扁平上皮癌におけるCDDP-RTの効果予測バイオマーカーとしてのSLFN11の有用性の検証 を現在進めている段階である。予定通りのペースで進めており、概ね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、対象症例の件数を蓄積している状態である。今後は、腫瘍量の大きい舌癌の手術検体を用いて、免疫組織化学染色法によりSLFN11の発現を解析し、腫瘍内不均一性の有無などの評価を行っていく。
|