研究課題/領域番号 |
23K15886
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
松本 晃治 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40750138)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Th2 TRM / 好酸球性鼻副鼻腔炎 / 2型炎症 / Th2 TRM |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性鼻副鼻腔炎は鼻副鼻腔に鼻茸を認め、嗅覚障害や喘息の合併を伴う、易再発性の難治性疾患である。好酸球性炎症が関わっているが、その病態は不明である。 本研究では、好酸球性鼻副鼻腔炎の患者由来の鼻茸や鼻粘膜を用いた実験を行い、好酸球性鼻副鼻腔炎において、2型サイトカインを炎症の局所で大量かつ慢性的に産生するTh2型 tissue resident memory T細胞(Th2 TRM)の存在と役割について明らかにし、好酸球性鼻副鼻腔炎の病態の解明を目的とする。 またTh2 TRMの制御についても明らかにし、好酸球性鼻副鼻腔炎の新規治療法の確立を検討する。
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研究実績の概要 |
好酸球性副鼻腔炎は、局所で持続的に2型炎症が生じており、その2型炎症にはILC2やTh2細胞が関与している。近年長期間局所にとどまり、2型炎症を強く誘導するTh2型 tissue resident memory T細胞(Th2 TRM)の存在が明らかとなり、好酸球性鼻副鼻腔炎においてもその関与が疑われている。近年Th2 TRMが国際的に注目され、CD69がtissue resident memory T細胞のマーカーであることが証明されたが、好酸球性鼻副鼻腔炎におけるTh2 TRMの存在は明らかなになっていない。 そこで好酸球性鼻副鼻腔炎患者の鼻茸を採取し、まず鼻茸からのシングルセルを作成する方法を確立した。作成したシングルセルの一部をフローサイトメトリーで解析し、CD4陽性CD45RA陰性CRTH2陽性CD69陽性のTh2 TRMの存在を確認した。また好酸球性鼻副鼻腔炎の鼻茸中には、コントロールの患者や非好酸球性副鼻腔炎患者の鈎状突起と比べてTh2 TRMが多く存在することを明らかにした。好酸球性鼻副鼻腔炎患者の鼻茸から作成したシングルセルはすでに10例以上集まっており、コントロールの患者や非好酸球性鼻副鼻腔炎患者の鈎状突起から作成したシングルセルも現在5例ずつ集まっている。今後はこれらを順次フローサイトメトリーで解析し、またフローサイトメトリーによるソーティングを行い、Th2 TRMの役割やその分化、誘導機構についても検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
好酸球性鼻副鼻腔炎の鼻茸からシングルセルを作成する際、好酸球性鼻副鼻腔炎において非常に粘稠な鼻汁や鼻茸中の組織により、採取できる細胞数が安定しないなどの問題があるが、すでにシングルセルの作成方法を確立している。 また好酸球性鼻副鼻腔炎患者の鼻茸や、コントロール、非好酸球性副鼻腔炎患者の鈎状突起の採取や、シングルセル作成数も順調に積み重ねている。 さらに好酸球性鼻副鼻腔炎におけるTh2 TRM細胞の存在を証明し、その数がコントロールや非好酸球性副鼻腔炎と比べて多い事を明らかにしていることから、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究対象者の鼻茸、鈎状突起粘膜を回収し、シングルセルを作成してサンプル数を蓄積する。 すでに作成したシングルセル、また今後作成するシングルセルをフローサイトメトリーで解析し、Th2 TRMの存在についてサンプル数を増やし、その特徴についても検討する。 シングルセルからフローサイトメトリーを用いてTh2 TRMをソーティングし、サイトカイン刺激などを行うことにより、Th2 TRMの働きを検討する。さらにソーティングして得られたTh2 TRMからRNAを抽出し、網羅的に解析することで、その特徴を明らかにする。
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